投稿日:2022/10/14
更新日:2024/08/28
でんきの豆知識
夏はエアコンを使うから、電気代が高い!
そんなイメージが強いですよね。
電気代の平均としては冬のほうが高いものの、春や秋に比べて電気の使用量が多いのは事実。エアコンの影響も大きいので、できるだけ節約したいものです。
今回は電気のスペシャリストが、夏の電気代について解説。
地域別・世帯別の電気代の相場から夏の電気代の節約のコツまでを紹介しますので、電気代を抑えたい方はぜひ参考にしてください。
2023年 | 2人以上世帯の平均 |
---|---|
1月 | 15,130円 |
2月 | 16,478円 |
3月 | 15,122円 |
4月 | 12,265円 |
5月 | 9,748円 |
6月 | 8,262円 |
7月 | 7,788円 |
8月 | 8,974円 |
9月 | 10,030円 |
10月 | 9,836円 |
11月 | 8,567円 |
12月 | 9,085円 |
出典:総務省 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070008
2023年の夏の電気代(7~9月)の平均は、8,930円でした。
そんなに安いの?と思われた方も多いかもしれませんが、これは2人以上世帯の平均。2人暮らしの世帯も含まれているので、ファミリー層であればもう少し高くなります。
世帯別、地域別でも見てみましょう。
世帯人数 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|
2人 | 9,419円 | 10,446円 | 8,931円 |
3人 | 9,772円 | 12,062円 | 10,284円 |
4人 | 10,717円 | 12,922円 | 10,689円 |
5人 | 10,856円 | 14,038円 | 11,124円 |
6人以上 | 13,566円 | 15,874円 | 12,140円 |
出典:総務省 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070008
平均は上記のようになっています。世帯人数が1人増えるごとの変化は1,000円ずつくらいとゆるやかです。エアコンを常時複数台稼働させている家庭は、おそらく平均より高くなるでしょう。
地域 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|
北海道 | 8,113円 | 8,956円 | 8,303円 |
東北 | 7,795円 | 8,714円 | 9,096円 |
関東 | 7,472円 | 9,771円 | 8,268円 |
北陸 | 9,257円 | 10,010円 | 11,485円 |
東海 | 8,394円 | 10,109円 | 8,698円 |
近畿 | 7,792円 | 9,743円 | 7,641円 |
中国 | 7,816円 | 10,760円 | 8,914円 |
四国 | 7,950円 | 9,998円 | 8,294円 |
九州 | 8,148円 | 9,541円 | 7,294円 |
沖縄 | 9,004円 | 10,650円 | 9,503円 |
出典:総務省 家計調査 家計収支編 総世帯
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003000800
地域別で見ると、必ずしも寒い地域が安いわけではありません。
また、年によって1,000円ほどの差がある地域もあり、その年の気温や燃料の輸入価格、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価の変動、補助金の有無によっても変動があることがわかります。2022年の夏の電気代が高い理由には、原油価格の高騰や国内の電力供給力不足などが考えられます。また2023年の夏は電気代の高騰を受けて政府からの補助があり、電気代の高騰が抑えられました。
夏の電気代に大きな影響を与えているのは、主にエアコンです。
近年は熱中症のリスクもあるので使わないのは危険ですが、効率良く冷やすことで電気代を抑えることができます。
エアコンのフィルターは月1~2回は掃除するようにしましょう。フィルターが汚れていると効きが悪くなり、電気代も高くなります。
自動お掃除機能付きでも、月1回は手入れするようにしてください。
夏の冷房の場合、推奨されている設定温度は28℃です。
暑すぎて耐えられない場合は下げてもいいですが、冷やしすぎると健康にも悪影響なので、基準の温度は意識しておくようにしましょう。
冷房の効率を上げるには、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させるのも有効です。
冷たい空気が循環することで温度のムラも解消できますし、風を感じることで体感温度を下げることができます。
エアコンの除湿機能には、以下の2種類があります。
弱冷房除湿で冷房より安く、再熱除湿は冷房より高いので、使い分けを意識しましょう。通常の除湿モードは弱冷房除湿、再熱除湿は“さらさら除湿”や“カラッと除湿”といったボタンであることが多いです。
外気温の影響を受けやすい部屋の場合、冷暖房の効きが悪くなってエアコンの消費電力も大きくなります。窓から熱気や冷気が入ってこないように、遮熱カーテンや断熱シートを使うのもおすすめです。
エアコンは冷やしたり暖めたりするときに電力を使うので、外気温との差が大きいときに消すと、もう1回付けたときにまたたくさん電力を使ってしまいます。
つけっぱなしのほうが安いと言われるのはそのためですが、何時間も家を空けるならいったん消すほうが安いです。エアコンの予約機能やスマホからの遠隔操作を活用すれば、家を出るときに消しても帰宅時には快適でしょう。
冷房機器の使い方や冷房方法を工夫しているにもかかわらず、夏の電気代が平均を上回っている場合は、以下のような原因があるかもしれません。
それぞれの、電気代がかさむ理由を解説します。
1カ月当たりの電気代は、原則としてその月に使用する電気の量が多ければ多いほど高くなります。当然ながら、電気を使い過ぎた月は電気代が高くなるでしょう。電化製品を使っていないときに電源を入れっぱなしにしたり、必要以上に電化製品を使い続けたりといった無駄遣いは、電気代が膨らむ直接的な原因といえます。
またライフスタイルが変化することで、使用する電気の量が増えることもあります。リモートワークによって家で過ごす時間が増えるケースや、子ども部屋を設けて親子が別の部屋で過ごすようになるケースなどです。家の中で電気を使う場所や時間が増えるため、電気代が上がると考えられます。
昔の電化製品は、最新の省エネ電化製品と比べて消費電力が大きい傾向にあります。そのため同じような使い方をしていても、古いものを使用しているときのほうが、電気代は高くなりがちです。
また長年使い続けている電化製品は、汚れや経年劣化などが原因で機能性が下がっている可能性もあります。その状態で十分な効果を得るには、より長い時間使用したり、パワーを上げて使用したりする必要があるでしょう。この場合もやはり、一回の使用にかかる電気代が増える傾向にあります。
電気代の決まり方は、契約する電力会社やプランによって変わります。
電気の使用量が少ない方向けのプランを契約し、想定していた量を大幅に超える電気を使用した場合、電気代が跳ね上がる可能性があります。また電気の使用量が多い方に向けたプランを契約していながら、あまり電気を使わないような状態が続いても、割高な電気代を支払わなければならなくなってしまいます。
夏の電気代節約は、エアコンだけではありません。
以下もチェックしてみましょう。
冷蔵庫の電気使用量を減らすには、次のようなポイントがあります。
夏は室温が高いので、頻繁な開閉や開けっぱなしですぐに庫内温度が上がり、冷やすときにより電気を使います。どれも通年で気をつけたいポイントではあるのですが、特に夏は注意しましょう。
夏でも節電モードのまま、便座の暖房ON、温水設定のトイレがときどきあります。
夏場は切っておいても支障がないので、オフにすると少し節約になります。
片づけ忘れたファンヒーターや夏場は使わない電気ポットがコンセントにつながったまま、ということはありませんか?待機電力の問題だけでなく、つなぎっぱなしのプラグにホコリがたまると火災のリスクもあるので、使っていない電化製品はプラグを抜くことをおすすめします。
購入してから月日がたった電化製品があれば、最新のものへの買い替えも検討してみてください。
経済産業省資源エネルギー庁は、ご家庭向けの省エネ関連情報を紹介するWebページにて、“今どきの省エネタイプのエアコンは10年前と比べると約15%の省エネ”と紹介しています。夏以外にも有効な節約方法ではありますが、電気代が高くなりやすい夏こそ、消費電力の少ない電化製品を新たに取り入れることで節約効果を実感できるでしょう。
参考:経済産業省資源エネルギー庁.「家庭向け省エネ関連情報 機器の買換で省エネ節約」.
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/ ,(2024-07-29).
契約している電力会社やプランを見直すことが、電気代の節約につながることもあります。こちらも季節にかかわらず実施できる方法です。
1カ月当たりどのくらいの電気代を支払っているのかを把握した上で、現在の電力会社やプランがライフスタイルに合っているかどうかを見直し、より適したものがないか探してみてください。
どうにか安く抑えたい、夏の電気代。ご紹介したように節約のコツはありますが、大幅な節約を目指すなら電力会社を乗り換えるのもおすすめです。
引っ越しのタイミングで安い電力会社を選んでおくと手間がなくラクですが、もちろん住み始めてからでも変更可能。すでに新電力を使っている場合でも、乗り換え特典で割引やポイント付与があるとかなりお得になります。
集合住宅で大家さんが一括徴収しているようなケースを除き、自由に変更できますので検討してみてください。
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