投稿日:2022/01/12
更新日:2022/01/17
でんきの豆知識
電力小売自由化を背景に、多くの新電力が誕生しました。新電力に切り替えると、電気料金を節約できる、ポイントやマイルが貯まるなどの恩恵を受けられます。しかし、切り替えの手続きを面倒に感じたり、違約金や倒産や撤退の影響を心配したりする方も少なくありません。ここでは、新電力への切り替えを検討する方に向け、新電力のメリット・デメリットを徹底解説します。
なお、本記事の情報は2021年9月時点での情報になります。
最新の情報は各公式ページをご参考ください。
目次
新電力とは、電力小売自由化を背景に、新しく電力の小売業に参入した業者を指します。企業内で発電した電気を販売する新電力もあれば、電力会社から電気を買いつけて販売する企業もあります。
電力小売自由化が始まる前は、一般家庭は地域の電力会社と契約するしかありませんでした。しかし、2021年現在、さまざまな新電力と契約できます。「電気料金をお得にしたい」「自然に優しい発電方法を応援したい」など、多くの理由により多くの方が新電力と契約しています。
発電所でつくられた電気は、送電・配電線を通じて各家庭に供給されます。なお、どの電力会社と契約してもご家庭に届く電気の「質」は変わりません。
2021年現在、エネルギー業界や通信業界など、あらゆる業界が新電力として名乗りを上げています。
かつては、企業や工場、商業施設や一般家庭などは、地域に根差した電力会社としか電気を契約できませんでした。関東ならば東京電力、関西ならば関西電力というような具合です。
しかし、1995年から段階的に始まった電力小売自由化により、電気をつくる発電部門と、電気を販売する小売部門への参入が自由になりました。
電力小売自由化は段階的に進められました。真っ先に自由化が許可されたのは、工場やオフィス、デパートなどの規模の大きな施設です。自由化の範囲はしだいに拡大して、2016年以降は一般家庭も新電力と契約できるようになりました。
なお、電力小売自由化の目的は、経済産業省・資源エネルギー庁により以下のように定義されています。
引用:電力システム改革の目的│経済産業省・資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/denryokugaskaikaku/denryokujiyuka.html#topic02
新電力には、エネルギーとは関係のない企業も含まれます。どのように新電力が電力を生み出しているか不思議に思う方もいるかもしれません。新電力について理解を深めるため、電気がご家庭に運ばれるプロセスを確認しましょう。
まず、電気は発電所で生成されます。発電所には、従来の電気会社や、エネルギー関連業者、太陽光発電などの設備を新設した企業などが挙げられます。新電力には、発電所を所有しない企業も少なくありません。発電所をもたない新電力は、外部の発電所から電気を買い取っています。
電気は送電線と配電線を伝って各家庭へとたどり着きます。発電所でつくられた電気を各家庭にまで届けるのは、送配電事業者の仕事です。電力小売自由化では、政府の許可を得た企業しか送配電事業者になれません。また、どのような新電力と契約しようとも、送配電事業者の調整のもと安定した電力が各家庭に供給されます。
新電力に切り替えるご家庭が続出しています。経済産業省・資源エネルギー庁の2018年の発表によると、2018年1月末時点で、全国の一般家庭の約9.1%が、新電力へと契約を切り替えています。
新電力に切り替えるメリットとして、代表的なものは以下の4つです。
ご家庭にあったプランを選ぶと電気料金を節約できます。セット割も考慮すると、かなり割安に電気を利用できる可能性があります。新電力独自のポイントやマイルなどの特典も楽しみましょう。
再生可能エネルギーによる発電を応援すると、エコ活動へも貢献できます。魅力たっぷりの新電力を、ぜひ検討してみてください。
参考:電力小売全面自由化の進捗状況と更なる競争促進に向けた取組│経済産業省・資源エネルギー庁
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180427/180427toushi01.pdf
新電力業界には、あらゆる業界から多くの企業が参入しています。ライバルに打ち勝とうと各社がこぞって電気料金を安くするため、消費者はお得に電気を使える可能性があります。
新電力にはさまざまなプランがあるため、ご家庭にあったプランを契約しましょう。電気をそれほど使わない単身世帯向けプランや、大家族におすすめの電気を多く使うほど割安になるプランなど、家族構成や電力使用量に応じて適したプランは変わります。
電気をよく使う時間帯によっても、適したプランは変わってきます。例えば、共働きや通学などで日中に留守にしがちなご家庭では、夜に活発に電気を使う可能性が高いと考えられます。夜間に電気量が割安になるプランを選んで、電気料金を節約しましょう。このように日常的な電気の使用状況を把握し、よりご家庭に合うプランを契約してください。
ただでさえ安い新電力の電気料金ですが、セット割にできるとさらにお得です。セットで契約するとそれぞれのサービスに対する支払いをまとめられ、家計の管理もシンプルです。
新電力は、コア事業と関連するセット割を打ち出して、電気を低価格で提供しています。例えばガス業者では、ガスと電気をセットで契約するとお得になるプランを用意しています。通信業者の場合は、電気の契約にともない毎月の通信料と電気料金ともお得になります。他にも、旅行会社や鉄道会社、家電量販店、住宅メーカー、クレジットカード会社など、さまざまな業者が自社の強みを生かしてセット割を用意していることが多いです。
商品やサービスを使っている企業で、電力事業に取り組んでいる業者がないか探してみてはいかがでしょう。日頃から利用している企業なら、契約の切り替えを進めやすいと考えられます。
電気料金を支払った分に応じて、インターネットショップやコンビニ、スーパーなどで使えるポイントや、マイルがたまる場合があります。
新電力には、コア事業を生かしたユニークな特典が満載です。例えば、旅行会社の事例を紹介しましょう。電気の契約をすると、国内・海外旅行がお得になるプランが発表されています。他にも、家電量販店が提供するプランでは、電気の支払いに応じて電化製品の購入などに使えるポイントがたまります。保険会社の提供プランでは、電気料金の支払いで得たポイントで保険料の支払いが可能です。
新電力が用意する特典は、電気料金が安くなるわけではありません。お特に買い物ができたり、旅行などの体験ができたりすると、家計の節約につながります。加えて、どのような特典をもらおうか、わくわくしながら新電力を選ぶのもおもしろいのではないでしょうか。
再生可能エネルギーで発電する業者と契約すると、再生可能エネルギーの普及に協力できます。
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱など、自然の力を応用したエネルギー源です。再生可能エネルギーを利用した発電からは、温室効果ガスが生成されません。電力小売自由化により再生可能エネルギーへの人気が高まることは、エコ活動につながります。
経済産業省・資源エネルギー庁によると、2019年度における国内の再生可能エネルギーによる電力比率は、全体の18%を占めます。なお、同年度のカナダにおける再生可能エネルギーによる電力比率は66.3%、イタリアが39.7%、中国が25.5%でした。諸外国と比較すると、日本では再生可能エネルギーの普及が遅れていると考えられます。エコ活動を推進したい方は、発電方法にもこだわり新電力を選びましょう。
参考:7.再エネ│経済産業省・資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2020/007/#section1
新電力に切り替える際に、気にされがちなデメリットは以下のとおりです。ただし、きちんと対応すれば、大きな被害を受ける心配はありません。
切り替え後の手続き、切り替え後の電気料金や違約金については、事前に調査をしておけばトラブルを避けられます。また、契約先の電力会社が倒産や電力事業からの撤退を決めても、急に電気が止められる心配はありません。
新電力へ切り替えると、電気料金金の節約や、ポイントやマイルが得られるなどの多くのメリットが見込めます。デメリットについて把握して、新電力への切り替えを前向きに検討しましょう。
切り替えの手続きを面倒に思う方もいるかもしれませんが、順序よく取り組めば特に問題は起きません。
まず、新しく契約する新電力に、電話やホームページのフォームを使って連絡を取りましょう。これまで契約してきた電力会社には、新電力の方で解約手続きを実施してもらえます。契約解消は言い出しにくいものですが、新電力側に代行してもらえるのであれば気が楽になるでしょう。
申し込み時には、お客様番号や供給地点特定番号に加え、本人確認書類の準備も必要です。
続いて、スマートメーターを取り付けます。スマートメーターは30分ごとに電気の使用量を計測するため、ご家庭の電気の使用状況がわかります。また、計測データを新電力に通信するため、検針員の訪問が不要です。スマートメーターの取り付けは、15分ほどでスピーディーに終わります。工事が終わりしだい、新しい契約先の電気を利用しましょう。
適当にプランを切り替えると、新電力といえども電気料金が高くなってしまう場合があります。電力会社にはそれぞれの強みがあります。家族構成や電気の使用状況をみて適切な会社と契約しましょう。
大抵の電力会社のサイトには、電気料金のシミュレーションが可能です。検針票をみながら、現在の電気料金からどの程度安くなるか比較できます。
また、キャンペーンで数カ月分がお得になる場合は、長期的にみると損をしてしまうかもしれません。目先の利益にまどわされず、プランの詳細をチェックすることが大切です。また、電気料金はそれほど変わらなくても、セット割やポイント、マイルなどの特典が魅力的な場合もあります。多角的に電力会社を比較しましょう。
違約金の有無、金額を確認しておきましょう。違約金の情報は、電力会社のホームページや、申し込み時の電話などを通じて調べられます。新電力だけでなく、従来から営業を続ける電力会社でも違約金が設定されている可能性があるため、注意が必要です。
違約金の相場はピンキリで、数百円の場合もあれば、数千円ほど必要になるケースもあります。1年単位、2年単位のように、契約年数によっても違約金は変わります。
また、電話や訪問販売で、断りきれずに電力会社と契約をしてしまった場合は、違約金なしでクーリング・オフが可能です。電力会社にあて、契約を解除したい旨を通知しましょう。
新電力には、ビジネスがうまくいかず倒産する企業も少なくありません。コア事業があれば、電力事業から撤退するケースもあります。例えば、水回りや鍵などのトラブルに対応するジャパンベストレスキューシステム株式会社や、建設会社の大東建託株式会社などが電力事業から撤退しています。
契約する電力会社が倒産や撤退を表明すると、新しい電力会社を探して契約し直さねばなりません。倒産や撤退の影響を避けるために、新電力に切り替える際は、企業の経営状態を確認しておきましょう。
なお、契約先の電力会社が倒産しても、すぐに電気が止まるわけではありません。新しい電力会社が見つかるまでは、政府に指定された「一般送配電事業者」が電気を届けます。その間に新しい電力会社を探して契約を結ぶようにしましょう。
以下のような方は、新電力への切り替えがおすすめです。
電気料金を安くしたい方は、ぜひ、新電力のプランをチェックしてみましょう。多くの新電力が電力事業に参入しており、電気料金の安さで契約を勝ち取ろうと切磋琢磨しています。毎月1,000円ほど電気料金が安くなると、年間では1万円ほども節約できます。
エコ活動に興味がある方にも、新電力がおすすめです。環境を守りたい気持ちがあっても、なかなか積極的な行動は起こしにくいかもしれません。その点、新電力で再生可能エネルギーにより発電している企業と契約すると、気軽にエコ活動に参加できます。
新電力ならではの特典にも着目しましょう。電気料金として毎月まとまった額を支払うと、効率的にマイルやポイントを貯められます。
新電力に切り替えると、電気料金を安くでき、エコ活動に貢献できるなどのメリットがあります。切り替え後の電気料金を試算し、違約金や経営状況をチェックした上で、ご家庭にあった新電力を選びましょう。
「TERASELでんき」への切り替えで、電気料金はより安くなります。特に電気の使用量が多い方は「超TERASELでんきプラン」がおすすめです。契約いただいた方には楽天ポイントやAmazonギフト券などの6つの特典から、お好きなものを進呈します。
お住いの地域が供給エリア内であれば、電気料金を節約できるチャンスです。ぜひ供給エリア一覧をチェックした上で、「TERASELでんき」への切り替えを検討してみてください。
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