投稿日:2024/10/07
更新日:2024/09/30
でんきの豆知識
空気が乾燥する冬は、リビングや寝室などで加湿器を使用する機会が増えます。日によっては長時間稼働することもあるため、「毎月どのくらい電気代がかかっているんだろう?」と気になる方もおられるのではないでしょうか。
加湿器の電気代は種類によって異なるため、自宅にある加湿器がどのタイプか調べた上で、おおよその相場をチェックしてみましょう。
こちらの記事では、加湿器の種類ごとの特徴や、種類別の電気代の目安、ニーズ別の加湿器の選び方、電気代の節約方法についてご紹介します。
目次
加湿器はさまざまなメーカーからいろいろな機種が発売されています。加湿方式で区分すると以下4種類に大別できるでしょう。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
超音波式 | 室内の温度が上がりにくい 本体や電気代が比較的安価 |
水蒸気で家財が傷む可能性がある |
スチーム式 | 雑菌が繁殖しにくい 加湿能力が高い |
電気代がかさみやすい |
気化式 | 結露しにくい 電気代が安い |
加湿能力がやや弱い フィルターのお手入れが必要 |
ハイブリッド式 | 超音波式または気化式の特徴を併せ持つ 短時間で加湿できる |
電気代がかさみやすい |
こちらでは、それぞれの加湿器の特徴を詳しく解説し
超音波式加湿器とは、超音波の振動によって水を細かな粒子に変え、ミスト状にして放出するタイプの加湿器です。
ヒーターを使わないため稼働中に熱を出しにくく、室内の温度上昇が起こりにくいところが利点でしょう。
また、本体価格が比較的安価な点や、静音性に優れているところもメリットです。しかし、放出されたミストが床や壁、家具などを濡らしやすいため、建物や家財が傷みやすいところがデメリットでしょう。
スチーム式加湿器とは、ヒーターで水を加熱することによって発生させた蒸気で加湿するタイプの加湿器です。
4種類の加湿器の中で、最も加湿能力が高く、乾燥した空気をしっかり潤せるところが特徴でしょう。
また、加熱による殺菌効果も期待できるため、雑菌が繁殖しにくいのも利点です。一方で、ヒーターによる消費電力が大きいぶん、電気代がかさみやすい傾向にあります。
気化式加湿器とは、水分を含んだフィルターに送風することで室内を加湿するタイプの加湿器です。
ミストや水蒸気を直接放出するタイプに比べると過剰な加湿を行わないため、結露が発生しにくいところがメリットでしょう。
また、消費電力も少ないため電気代を節約できるのも利点です。しかし、加湿能力がやや弱いことと、フィルターの小まめなお手入れが必要なところが難点です。
ハイブリッド式加湿器とは、超音波式か気化式に、熱を組み合わせて加湿するタイプの加湿器です。
どちらのタイプもヒーターを使用するぶん、超音波式のみ、あるいは気化式のみのタイプに比べて水分を蒸発・放出させるまでの時間が短く、すばやく加湿できるところが利点でしょう。
ただし、ヒーターを併用するぶん、消費電力も大きくなるため、電気代がかさむ点に注意が必要です。
前述したとおり、加湿器は種類ごとに加湿方式が異なるため、消費電力にも若干の差があるでしょう。
具体的な電気代はメーカーや機種によって異なります。一般的には、種類別(適用面積:~木造5畳、~洋室8畳)のおおよその電気代目安は以下のとおりです。
なお、電気代は、消費電力(kWh)×時間(h)×料金単価(円/kWh)で計算しています。料金単価は2024年8月時点で31円(税込)です。
種類 | 毎月(1日10時間×30日間)の電気代目安 |
---|---|
超音波式 | 約204円~252円 |
スチーム式 | 約2,325円~約2,511円 |
気化式 | 約186円~297円 |
ハイブリッド式 | 約912円~1,860円 |
こちらでは、それぞれの種類ごとに毎月の電気代の目安について解説します。
超音波式加湿器(適用面積:~木造5畳、~洋室8畳)の電気代の目安は以下のとおりです。
消費電力 | 加湿能力 | 1時間あたりの電気代 | 1日(10時間)あたりの電気代 |
---|---|---|---|
22W | 約220ml/h | 0.68円 | 6.8円 |
27W | 約300ml/h | 0.84円 | 8.4円 |
スチーム式加湿器(適用面積:~木造5畳、~洋室8畳)の電気代の目安は以下のとおりです。
消費電力 | 加湿能力 | 1時間あたりの電気代 | 1日(10時間)あたりの電気代 |
---|---|---|---|
250W | 300ml/h | 7.75円 | 77.5円 |
270W | 320ml/h | 8.37円 | 83.7円 |
気化式加湿器(適用面積:~木造5畳、~洋室8畳)の電気代の目安は以下のとおりです。
消費電力 | 加湿能力 | 1時間あたりの電気代 | 1日(10時間)あたりの電気代 |
---|---|---|---|
20W | 300ml/h | 0.62円 | 6.2円 |
32W | 300ml/h | 0.99円 | 9.9円 |
ハイブリッド式加湿器(適用面積:~木造5畳、~洋室8畳)の電気代の目安は以下のとおりです。
消費電力 | 加湿能力 | 1時間あたりの電気代 | 1日(10時間)あたりの電気代 |
---|---|---|---|
98W | 300ml/h | 3.04円 | 30.4円 |
200W | 300ml/h | 6.20円 | 62.0円 |
戸建てへ引越すにあたって新たに加湿器を購入する場合、何を基準に選べばよいのか悩んでしまう方も多いでしょう。
加湿器は加湿方式によって性能や電気代などに違いがあるため、ご家庭のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
こちらでは、加湿器を選ぶ際のポイントを4つに分けてご説明します。
しっかり乾燥対策したい場合や、リビングなど広い部屋に設置する場合は、加湿能力が最も高いスチーム式を選ぶのがおすすめです。
加湿能力(ml/h)は1時間でどのくらいの水蒸気を放出するかで表されます。一般的に、寝室や子ども部屋など面積が小さい部屋なら300~500ml/h、リビングなら700~900ml/hの加湿能力が必要でしょう。
スチーム式加湿器なら、700ml/h以上の強力な加湿能力を備えた機種が多数発売されており、広々とした部屋でもしっかり乾燥対策ができます。
特に、吹き抜けのあるリビングは1000ml/h以上のハイパワーな加湿能力が必要になるため、スチーム式が第一候補になるでしょう。
専業主婦の方や小さなお子さんがいるご家庭は、在宅時間が長くなりやすいため、電気代があまりかからない超音波式か気化式の加湿器がおすすめです。
超音波式や気化式なら、1日10時間稼働したとしても、1カ月の電気代は約200円~300円に抑えられるでしょう。戸建てへの引越しを機に、加湿器を新調あるいは増加したとしても、大きな負担にはならないでしょう。
超音波式なら、さらに本体価格も手ごろなのでコストを節約できます。しかし、水蒸気で家財が傷んでしまう可能性があるでしょう。床や壁、周囲の家具などが濡れたら小まめに拭き取ることが大切です。
また、外気と室内の温度差が大きいと結露が発生しやすくなります。加湿器を稼働させるときは、外気温に合わせて湿度設定を調節するとよいでしょう。
また、加湿器は、床に直置きせず、下にマットなどを敷いたり、机や台の上に設置したりしましょう。床や布団などが水浸しになるのを防げます。
水濡れ対策が面倒という場合は、結露しにくい気化式を選ぶとよいでしょう。
加湿器は、水を使用する性質上、多湿環境を好む雑菌が繁殖しやすい傾向にあります。加湿器内部に雑菌が繁殖すると、水蒸気と一緒に雑菌まで放出されてしまい、建物や家財にカビが生えたり、アレルギー症状が発生したりする原因になるかもしれません。
こうしたトラブルを防ぐためには、小まめにフィルターやタンクを掃除したり、水を交換したりする必要があり、かなりの手間がかかります。
そのため、少しでも加湿器のお手入れの手間を省きたい場合は、雑菌が繁殖しにくいスチーム式の加湿器を選ぶとよいでしょう。
スチーム式では水をヒーターで温めて蒸気を出す過程で加熱殺菌を行うことから、雑菌の繁殖を抑えられます。
もちろん、完全にノーメンテナンスというわけにはいきませんが、ほかのタイプに比べてお手入れが楽なので、手間をかけずに加湿器を利用したいという方におすすめです。
小さなお子さんがいる家庭では、加湿器を利用する際の安全面にも配慮する必要があります。特に注意したいのはスチーム式加湿器です。
スチーム式加湿器は、ヒーターを使用する関係上、吹き出し口が高温になりやすく、うっかり触れるとやけどをする危険性があります。
大人なら注意して扱えますが、お子さんは好奇心や興味から、水蒸気が出てくる加湿器の吹き出し口にうっかり触れてしまいがちです。ハイブリッド式の加湿器を選んだ方が安心でしょう。
ハイブリッド式もヒーターを使用します。しかし、フィルターに温風を当てて加湿するだけなので、吹き出し口が熱くなる心配はありません。
超音波式や気化式はヒーターを使用しないという点では安全です。しかし、全く加熱しないタイプは雑菌が繁殖しやすい傾向にあります。安全面と衛生面を両立させたハイブリッド式を選んだ方がよいでしょう。
超音波式や気化式の加湿器を選べば電気代を節約できます。しかし、「加湿能力を重視したい」「子どもがいるから安全性と衛生面を両立したい」という方は、スチーム式やハイブリッド式を選びたいところです。
その場合は、ネックとなる電気代を節約するために、加湿器選びや日常生活で以下のような工夫をしてみましょう。
加湿器を選ぶ際は、カタログやパンフレットに記載されている適用床面積(畳数や平方メートル)を基準にして機種を絞り込むのが一般的です。
ただし、必ずしも記載されている適用面積を基準とすることがベストとは限りません。機種によっては、適用面積ぴったりのものを選ぶより、ワンランク上のものを選んだ方がよい場合があります。
例えば、標準モードとエコモードという2つの運転モードが搭載されている加湿器の場合、適用面積ぴったりの加湿器を標準モードで動かすよりも、適用面積が1つ上の加湿器をエコモードで稼働した方が節電になるケースがあるでしょう。
カタログには、モードごとの消費電力も記載されています。適用面積だけを基準に選ぶのではなく、どのモードでどのような運転を行えば省エネなのかも考慮して選びましょう。
加湿器の吸気グリルがゴミやホコリなどで目詰まりを起こすと、加湿能力が低下してしまいます。
その場合、加湿器が常にフル稼働状態になり、余計な電気を消費してしまうかもしれません。
メンテナンスを怠ると不具合や故障のリスクも高まります。吸気グリルは定期的に清掃し、通気性の良い状態を保つようにしましょう。
もちろん、吸気グリルだけでなく、フィルターやタンクなども小まめにメンテナンスすることが大切です。
空気が乾燥していると体から蒸発する水分量が多くなり、体感温度が低くなるとされています。
加湿器を併用して部屋の湿度を適度に保てば、体感温度が高くなります。エアコンの設定温度を下げても寒さを感じにくくなるでしょう。
エアコンの設定温度は消費電力を左右します。1度下げれば約10%の節電になるとされています。
電力自由化により、消費者が電力会社を自由に選べるようになりました。
各電力会社では、他社との差別化を図るために、独自の料金体系やプラン、サービスなどを導入しています。引越しを機に、ご自分やご家族の生活スタイルに適した電力会社やプランになっているかどうか、内容を見直してみることをおすすめします。
加湿器の電気代は、使用する加湿器の種類や性能などによって異なります。
電気代が安いのは超音波式や気化式です。もし、加湿能力やお子さんの安全・衛生を重視したい場合はスチーム式やハイブリッド式が適しています。
電気代を抑えたい場合は、適用面積にゆとりのある加湿器を選び、エコモードで運転したり、小まめにメンテナンスを行ったりして節電を心掛けましょう。また、電力会社やプランを見直してみるのも有効な手段です。
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