投稿日:2024/09/30
更新日:2024/09/30
でんきの豆知識
気温が下がる冬は、エアコンやこたつ、ヒーターなどの暖房器具が大活躍します。あちこちの部屋で複数の暖房器具を使っていると、電気代が気になる方もおられるのではないでしょうか。
特に、アパートなどの集合住宅から部屋数の多い戸建てに引越す場合、使用する暖房器具の数も増える傾向にあるため、引越し前に電気代がどのくらいかかるのかチェックしておくことをおすすめします。
この記事では、暖房器具ごとの1時間あたりの電気代の目安や、エアコンのお得な使い方、暖房の最適な設定温度、暖房器具の電気代を節約する方法についてご紹介します。
目次
暖房器具にはさまざまな種類があります。それぞれ消費電力が異なるため、使用時間が同じでも電気代に差が出るでしょう。
そのため、自宅で使っている暖房器具の電気代をチェックするためには、まず、暖房器具ごとのおおよその電気代を把握しておく必要があります。
こちらでは、家庭で使用する主な暖房器具と、それぞれの1時間あたりの電気代をまとめました。
なお、1時間あたりの電気代は消費電力(kWh)×1時間(h)×電気料金の目安単価(円/kWh)で計算しています。
電気料金の目安単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会によって定められており、2024年8月時点では税込31円/kWh(令和4年7月22日改正)です。
エアコンを暖房運転する場合にかかる電気代は、一般的に適用畳数に比例して多くなります。
以下では、適用畳数別に、エアコンの暖房運転にかかる一般的な電気代をまとめました。
モデル | 6畳用 | 8畳用 | 10畳 | 12畳 | 14畳 | 18畳 | 20畳 | 23畳 | 26畳 | 29畳 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
消費電力(暖房) | 440W | 515W | 690W | 915W | 950W | 1,500W | 1,630W | 2,230W | 2,600W | 3,150W |
1時間あたりの電気代 | 13.64円 | 15.97円 | 21.39円 | 28.37円 | 29.45円 | 46.50円 | 50.53円 | 69.13円 | 80.60円 | 97.65円 |
なお、最近のエアコンは、インバーターによってコンプレッサーやファンを動かすモーターの回転数を細かくコントロールできる仕組みになっているため、消費電力が常に一定とは限りません。
室内の温度や設定温度によっては、消費電力が変動することもあるため、1時間あたりの電気代にも幅が出ることを念頭に置いておきましょう。
セラミックファンヒーターの電気代は、一般的に適用畳数に比例して高額になります。
こちらでは、セラミックファンヒーターの1時間あたりの電気代を適用畳数ごとにまとめました。
モデル | 3畳 | 5畳 | 8畳 | 10畳 |
---|---|---|---|---|
消費電力 | 300W | 600W | 1,000W | 1,200W |
1時間あたりの電気代 | 9.30円 | 18.60円 | 31.00円 | 37.20円 |
なお、機種によっては弱モード・標準モード・強モードなど複数の運転モードに分かれており、どのモードを選ぶかによって消費電力に差が出ます。
例えば、弱モードなら300W、標準モードなら700W、強モードなら1,200Wなどです。
運転モードが切り替えられるセラミックファンヒーターを購入した場合は、どのモードでどのくらいの電気代がかかるかもチェックしておいた方がよいでしょう。
パネルヒーターの電気代は、パネルの種類やサイズによって異なります。
パネルヒーターの種類は、折り畳み式・大型タイプ・小型タイプの3つがあります。折り畳み式と小型タイプは使いやすさ、大型タイプは部屋全体を温められるところが特徴です。
以下では、一般的なパネルヒーターのタイプごとの1時間あたりの電気代をまとめました。
タイプ | 折り畳み式 | 小型 | 大型 |
---|---|---|---|
消費電力 | 170W | 700W | 1,200W |
1時間あたりの電気代 | 5.27円 | 21.70円 | 37.20円 |
折り畳み式であればさほど電気代はかかりません。しかし、パネルに近い部分がじんわり温かくなるだけなので、暖房効果を得られるのはごくわずかなスペースに限られます。
小型タイプであれば本体周辺を温められるため、トイレや洗面所であればこれで十分でしょう。
一方、リビングや寝室などある程度広い場所で利用する場合は、大型タイプを選ぶ必要があります。大型タイプは、1,200W程度の消費電力がかかるため、電気代がかさみやすくなる点に注意が必要です。
ホットカーペットの電気代は一般的にカーペットの面積(畳数)に比例して大きくなります。
こちらでは、ホットカーペットの畳数別に、1時間あたりの電気代をまとめました。
畳数 | 1畳 | 1.5畳 | 2畳 | 3畳 |
---|---|---|---|---|
消費電力 | 180W | 355W | 520W | 740W |
1時間あたりの電気代 | 5.58円 | 11.01円 | 16.12円 | 22.94円 |
1畳用の小さなものならこたつよりも消費電力は小さくなります。一方、3畳用では、10畳用のエアコンよりも消費電力が大きくなる場合があるでしょう。。
もちろん、弱モードなど設定温度を調整すれば電気代を抑えられます。しかし、エアコンとホットカーペットを併用すると電気代が高額になる可能性があるでしょう。
こたつの電気代は、こたつテーブルの広さや、使用するヒーターの種類によって異なるでしょう。
ヒーターの種類は、主にフラットカーボンヒーター、石英管ヒーター、ハロゲンヒーターの3つです。最も省エネ性が高いのは、フラットカーボンヒーターで、消費電力がわずか200Wのものもあります。
一方、石英管ヒーターは、遠赤外線を多く放射する性質を持っているぶん、体を芯からじっくり温める効果が期待できます。消費電力は300W~のタイプがあるでしょう。
ハロゲンヒーターは、速暖性に長けており、スイッチを入れるとすぐに発熱するところが特徴です。ただし、パワーが強いぶん消費電力も大きく、500~600Wのものが主流でしょう。
このように、こたつは搭載しているヒーターによって、消費電力や特徴に違いがあります。戸建てへ引越すにあたってこたつを新調する場合は、ニーズに合わせて選ぶことが大切です。
こちらでは、こたつの種類ごとに1時間あたりの電気代をまとめました。
種類 | フラットカーボンヒーター | 石英管ヒーター | ハロゲンヒーター |
---|---|---|---|
消費電力 | 200W | 300W | 600W |
1時間あたりの電気代 | 6.20円 | 9.30円 | 18.60円 |
4人家族が、リビングや子ども部屋、書斎など別々の部屋で過ごし、それぞれが暖房器具を使っていた場合の電気代はどのくらいになるのでしょうか?
ここまで説明してきた暖房器具ごとの電気代を基準に、別々の部屋で過ごした場合の月間電気代を計算してみました。
なお、月あたりの電気代はそれぞれの暖房器具を1日8時間使ったものとして計算しています。
利用シーン | 1人目:リビングでエアコン(18畳) | 2人目:書斎で折り畳み式パネルヒーター | 3人目:子ども部屋でエアコン(8畳) | 4人目:キッチンでセラミックファンヒーター(3畳) |
---|---|---|---|---|
月あたりの電気代 | 11,160円 | 1,264.8円 | 3,832.8円 | 2,232円 |
1時間あたりの電気代 | 6.20円 | 9.30円 | 18.60円 | |
合計 | 18,489.6円 |
なお、マンションなど鉄筋コンクリート造の住宅は、木造住宅に比べて気密性が高いぶん、より少ない消費電力で室温を上げられるため、電気代は低額になる傾向です。
一方、吹き抜けや間仕切のないリビングなどがある戸建ては、暖房効率が下がりやすいため、世帯人数や部屋数の条件が同じでも電気代が高額になる可能性があるでしょう。
寒い時期に外出などで部屋を空ける場合、エアコンの暖房をそのまま運転し続けた方がよいのか、退室するたびにオフにした方がよいのか、迷ってしまうこともあるでしょう。
外気温が3度未満の場合は暖房をつけっぱなし、3度以上の場合は小まめに消した方が電気代の節約につながるといわれています。
なぜなら、近年のエアコンは室内外の温度差が大きいときは強運転、温度差が小さいときは弱運転に自動で切り替わる仕組みになっているためです。
例えば、外気温が3度未満の場合、暖房を切ってしまうと部屋が冷えてしまうため、再びエアコンをオンにしたときに強運転を開始します。
強運転時の消費電力は弱運転時よりも大きくなるため、弱運転でつけっぱなしにするよりも電気代が高くなってしまうおそれがあるでしょう。
一方、外気温が3度以上あるときは、エアコンの暖房を切っても室内の温度はさほど下がらず、運転を再開したときの消費電力も抑えられます。そのため、小まめに消した方が節電になるでしょう。
暖房器具を使用する際の電気代を節約するために、日頃から実践したい方法を4つご紹介します。
エアコンやヒーターのフィルターが汚れていると、暖房効率が著しく低下し、余計な電気を消費する原因となるでしょう。
フィルターは、簡単に取り外してお手入れできる仕様になっています。毎日使用している場合は、2週間に1回くらいを目安にフィルターの掃除を行いましょう。
なお、掃除が面倒という方は、フィルターの自動清掃機能が搭載されたエアコンを購入するのがおすすめです。
冷え切った室内を早く暖めたいからといって、暖房器具をパワー運転させてしまうと電気の消費量が上がってしまいます。
あらかじめ帰宅の時間に合わせてタイマーをセットしておくなどの工夫を行い、急速運転するのはなるべく控えた方がよいでしょう。
なお、最新の暖房器具のなかにはスマートフォンアプリと連携させることで、出先からスイッチをオンにできるものもあるので、暖房器具を買い替える際は検討してみても良いかもしれません。
暖房器具を使用する際は、そのほかの家電と組み合わせることで暖房効率を上げられます。
例えば、エアコンの対角線上に扇風機やサーキュレーターを向かい合わせで設置すると、室内の空気に動きが生まれ、温かい空気を循環させやすくなるでしょう。
天井付近にたまっている温かい空気を循環させれば、設定温度を上げなくても室内全体を効率よく温められるため、電気の節約につながります。
また、空気が乾燥した状態だと体感温度が下がるため、加湿器を利用して部屋の湿度を高める方法も有効です。
窓の下は前述したコールドドラフト現象により、冷気が入りやすい場所となっています。
そのため、ヒーターなど移動しやすい暖房器具はなるべく窓際に設置しましょう。すると、窓付近の冷たい空気が暖められて部屋に拡散されるため、暖房効率がアップして節約になります。
なお、窓際に暖房器具を設置する際は、カーテンなどが暖房器具に触れて火災の原因にならないよう注意しましょう。
電気代を根本から見直したい場合は、契約している電力会社や電気料金プランの切り替えも検討してみましょう。
各電力会社では、生活スタイルやニーズに合わせて多彩なプランをラインナップしています。条件や料金体系は会社ごとに異なるため、ライフスタイルと照らし合わせながらどのプランを選べばよいか比較検討することが大切です。
また、電力会社によってはポイント付与などの特典を用意しているところもあります。電気代そのものだけでなく、その他サービスも考慮して検討した方がよいでしょう。
暖房費を節約したいのなら、暖房器具の使い方の見直しだけでなく、便利な暖房グッズを採り入れるのも一つの方法です。
例えば足元の冷えが気になるのなら、あったかソックスやルームシューズを履いて過ごすのも有効な対策法です。
また、部屋のカーテンを断熱効果や保温効果のあるものに交換するのもおすすめ。断熱カーテンを使用すれば、窓で冷やされた空気が床に広がるコールドドラフト現象を防止するのに役立ちます。
なお、窓に関しては複層ガラスに交換したり、断熱性の高い樹脂素材を採用した窓に取り替えたりする方法もあります。
これらのグッズ・設備を暖房器具の使い方の見直しなどと併用して採り入れれば、暖房効率がアップして暖房費の節約につながるでしょう。
暖房器具の電気代は、使用する器具の種類によって大きく異なります。特に、エアコンやセラミックファンヒーターなどは1時間あたりの電気代がかさみやすいので、ほかの暖房器具と併用するなどして節電を心掛けましょう。
戸建ては、マンションに比べると暖房コストがかかりやすいので、マンションから戸建てに引越す場合は、節電を意識することをおすすめします。
根本的に電気代を見直したいのなら、引越しを機に電力会社や電気料金プランの切り替えを検討してみるのもよいでしょう。
TERASELでんきでは、多彩なライフスタイルに応じた複数の電気料金プランを用意しております。また、電気代に応じて楽天ポイントが付与される特典も提供しており、電気代をトータルで節約できるでしょう。暖房器具の電気代が気になる方や、戸建てへの引越しを機に電気代の見直しを行いたい方は、ぜひ、TERASELでんきをご検討ください。
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