投稿日:2024/10/04
更新日:2024/09/30
でんきの豆知識
人気のゲームで遊びたいというお子さまにゲーミングPCを買い与えているご家庭も多いでしょう。
ゲーミングPCには、一般的なPCよりも消費電力が大きいグラフィックボード(GPU)が搭載されています。ゲーミングPCを1日中付けっぱなしにすると、電気代が大きく上がってしまうかもしれません。
この記事では、ゲーミングPCの電気代の目安や、簡単な計算方法、消費電力を抑えるポイントについて紹介します。
最新のPCゲームを安定してプレイするには、高いグラフィックス性能を持つゲーミングPCが欠かせません。しかし、ゲーミングPCにかかる電気代は、一般的なPCと比べると約2倍程度とも言われています。
ここでは、ゲーミングPCの電気代が高い理由や、PCのモデルやスペックごとの消費電力の違い、1日中付けっぱなしにした場合の電気代の目安について紹介します。
ゲーミングPCの主要なパーツは、CPU・メモリ・グラフィックボード(GPU)・ストレージ(HDD/SDD)の4つです。
主要なパーツ | 役割 |
---|---|
CPU | PCの「頭脳」に相当するパーツで、ゲーミングPCの場合はCore i5(11世代)もしくはRyzen5(5000シリーズ)以上のCPUが求められることが多い |
メモリ | データやプログラムなどを一度に処理するための容量のことで、ゲーミングPCの場合は16GB以上のメモリが要求されることが多い |
グラフィックボード(GPU) | ゲームのグラフィックスを処理するためのパーツで、ゲーミングPCではCPUよりも重要性が高い |
ストレージ(HDD/SDD) | データを記録しておくための媒体のことで、ゲーミングPCでは大容量のSSDを搭載するか、HDDとSDDを組み合わせて使うことが一般的 |
こうしたパーツの中でも、特に消費電力が大きいのがグラフィックボード(GPU)です。
一般的なPCの場合、文書作成やWebサイトの閲覧などを想定して設計されているため、CPUに内蔵されたGPU(iGPU)を用いてグラフィックスの処理を行います。
しかしゲーミングPCでは、高品質なグラフィックスを処理するため、GeForceシリーズやRadeonシリーズなど、専用のGPUが搭載されていることが一般的です。ゲーミングPC向けのGPUは、内蔵GPUよりも消費電力が多く、電気代への影響も大きくなります。
またゲーミングPCは、一般的なPCよりも負荷のかかる処理が求められることから、より高性能なCPUも必要です。ゲーミングPCの電気代が高いと言われる理由は、こうした主要なパーツの消費電力の差によるものです。
ゲーミングPCの消費電力は、選んだモデルやスペックによって変わってきます。
ゲーミングPCのスペックは、ローエンド(エントリーモデル)・ミドルスペック・ハイスペック・ハイエンド(フラッグシップモデル)の4つに分類されることが一般的です。それぞれの消費電力や、1時間当たりの電気代の目安は以下の表のとおりです。
スペック | 消費電力 | 電気代の目安(1時間) |
---|---|---|
エントリーモデル | 300W | 約9.3円 |
ミドルスペック | 600W | 約18.6円 |
ハイスペック | 800W | 約24.8円 |
フラッグシップモデル | 1,200W | 約37.2円 |
※電気代は、1kWhあたり31円(税込)を基準としています。この金額は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している電気代の目安単価に基づいています。
特にフラッグシップモデルのゲーミングPCの場合、ヘアドライヤー(1,200W)やアイロン(1,400W)に匹敵するほど消費電力が多く、長時間使用すると電気代に大きな影響が出てしまいます。
夏休みに入り、お子さまがゲーミングPCを1日中付けっぱなしにするご家庭も多いでしょう。しかし、電気代を節約するという観点から見ると、ゲーミングPCを付けっぱなしにするのは望ましくありません。
例えば、ハイスペック(800W)のゲーミングPCの場合、使用時間による電気代の目安は以下のとおりです。
使用時間 | 電気代の目安 |
---|---|
1時間 | 約24.8円 |
3時間 | 約74.4円 |
6時間 | 約148.8円 |
9時間 | 約223.2円 |
12時間 | 約297.6円 |
18時間 | 約446.4円 |
24時間 | 約595.2円 |
それぞれの項目について詳しく解説します。
※電気代は、1kWhあたり31円(税込)を基準としています。この金額は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している電気代の目安単価に基づいています。
実際には、高負荷の処理を行っていない時間帯では、ゲーミングPCの消費電力は低下します。
しかし、CPUやグラフィックボードをフルに使うようなゲームを1日中遊んだとすると、ゲーミングPCのモデルやスペックによっては、1日の電気代が500円を超えてしまう可能性もあります。
ゲーミングPCの電気代は、以下の計算式で求めることが可能です。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量単価(円/kWh)
消費電力とは、ゲーミングPCでゲームを遊ぶときに消費する電力のことを指します。また電力量単価は、1kW(1,000W)の電力を1時間使用した場合にかかる電気料金のことです。上記の計算式のとおり、消費電力が高い(スペックが高い)ゲーミングPCを使用し、長時間ゲームを遊ぶほど電気代は高くなります。
ここでは、ゲーミングPCのスペック別に、1時間当たりの電気代や、1日中使った場合の電気代の目安を紹介します。学生からの人気が高いゲーミングノートの電気代も計算しているため、ぜひ参考にしてください。
なお、繰り返しになりますが、電力量単価については、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している目安単価1kWhあたり31円(税込)としています。
エントリーモデル(300W)のゲーミングPCの場合、1時間の電気代は以下の計算式で求められます。
300(W)÷1,000×1(h)×31(円)=約9.3円
半日使用した場合の電気代は約111.円、1日付けっぱなしにした場合の電気代は約223.2円です。エントリーモデルであっても、比較的高額な電気代がかかることが分かります。
ミドルスペック(600W)のゲーミングPCの場合、1時間の電気代は以下の計算式で求められます。
600(W)÷1,000×1(h)×31(円)=約18.6円
半日使用した場合の電気代は約223.2円、1日付けっぱなしにした場合の電気代は約446.4円です。ミドルスペックのゲーミングPCを使用すると、エントリーモデルの2倍近くの電気代がかかります。
ハイスペック(800W)のゲーミングPCの場合、1時間の電気代は以下の計算式で求められます。
800(W)÷1,000×1(h)×31(円)=約24.8円
半日使用した場合の電気代は約297.6円、1日付けっぱなしにした場合の電気代は約595.2円です。
ハイスペックのゲーミングPCを付けっぱなしにすると、1日の電気代が500円を超える可能性があります。電気代の節約のため、消費電力を抑えたり、使用時間を制限したりといった工夫をしましょう。
フラッグシップモデル(1,200W)のゲーミングPCの場合、1時間の電気代は以下の計算式で求められます。
1,200(W)÷1,000×1(h)×31(円)=約37.2円
半日使用した場合の電気代は約446.4円、1日付けっぱなしにした場合の電気代は約892.8円です。
フラッグシップモデルのゲーミングPCは、消費電力が他のモデルと比べて非常に高くなっています。1カ月に換算すると、電気代の目安は約26,784円です。
ゲーミングPCの中には、省スペースで手軽にゲームを楽しめるゲーミングノートと呼ばれる製品もあります。デスクトップPCと比べて省エネ性能が高く、消費電力が少ないのもゲーミングノートの特徴です。
ゲーミングノートの消費電力を200Wと仮定すると、1時間の電気代は以下の計算式で求められます。
200(W)÷1,000×1(h)×31(円)=約6.2
半日使用した場合の電気代は約74.4円、1日付けっぱなしにした場合の電気代は約148.8円です。
ゲーミングノートには、デスクトップPCと比べてメンテナンスが難しい、パフォーマンスが低い傾向にある、といったデメリットもあるものの、毎月の電気代では大きな違いがあります。
ゲーミングPCの電気代をできるだけ節約したい方は、以下の7つのテクニックを実践しましょう。
ゲーミングPCを使用しないときは、こまめにスリープもしくはシャットダウンしましょう。ゲームやアプリを起動しているときよりも、スリープ・シャットダウン中の方が消費電力を抑えられます。
ただし、PCはシャットダウンや起動の際に多く電力を消費します。PCを使用しない時間が90分以内の場合は、シャットダウンではなく、スリープ状態にするのがおすすめです。長時間PCを使わない場合はシャットダウンするとよいでしょう。
実はゲーミングPCの消費電力のうち、高い割合を占めているのがモニター(ディスプレイ)です。モニターの輝度を下げることで、電気代の節約につながります。
ただし、輝度を下げすぎると画面が見えづらくなるため、無理のない範囲で行ってください。
ゲーミングPCに電力を供給するパーツを電源ユニットと言います。電源ユニットには、家庭用のコンセントから流れてくる交流(AC)の電気を、PCで使用できる直流(DC)の電気に変換する役割があります。
まだゲーミングPCをお持ちでない方や、ゲーミングPCのパーツ交換が可能な方におすすめなのが、80PLUS認証を取得した電源ユニットです。
80PLUS認証とは、電力の変換効率が80%以上の電源ユニットのみ取得できる認証です。電力の変換効率が低い電源ユニットを選ぶと、PCで実際に消費している以上の電力が使われてしまいます。80PLUS認証を取得した電源ユニットなら、効率よく電気を使えるため、電気代の節約につながります。
ゲームの音声は、スピーカー(PC本体)ではなく、イヤホン・ヘッドホンから出力するとよいでしょう。微々たる違いではあるものの、イヤホン・ヘッドホンを使用するときの方が消費電力を抑えられるからです。
またイヤホン・ヘッドホンを使用すると、細かい音まで聞き取れるため、ゲーム体験の向上にもつながります。
ゲーミングPCの中でも、人気があるのが「光るゲーミングPC」です。光るゲーミングPCでは、PCケース(筐体)のサイドパネルが透明になっており、内部の送風機(ケースファン)や、マザーボードなどのパーツがLEDで光る仕組みになっています。
こうしたLEDライティングにこだわりがない場合は、オフにしておくとよいでしょう。LED本体の消費電力や、ライティングを制御するソフトウェアの消費電力が抑えられるため、電気代の削減につながります。
ゲーミングPCをこまめにメンテナンスすることも大切です。
ゲーミングPCはケース(筐体)の外から空気を取り入れ、内部のCPUやグラフィックボードを冷やす仕組みになっています。ケースの内部にホコリがたまっていると、本体を効率よく冷やせず、ファンの回転数が上がって消費電力が増えてしまいます。
少なくとも月に1回を目安として、ケースの吸排気口や、ファンの付近にたまったホコリを掃除しましょう。ケース内部を掃除するときの手順は以下のとおりです。
ゲーミングPCの発熱を抑える対策をするのも効果的です。電気代の節約につながるだけでなく、熱に弱いCPUやグラフィックボードの長寿命化にもつながります。
ゲーミングPCの発熱対策として、例えば以下のようなものがあります。
ゲーミングPCの電気代は、一般的なPCの2倍以上と言われています。ハイスペックなゲーミングPCの場合、24時間付けっぱなしにすると、1日の電気代が500円を超える可能性もあります。
ゲーミングPCを使用しないときはスリープもしくはシャットダウンする、モニター(ディスプレイ)の輝度を無理のない範囲で下げる、といった節電テクニックを実践しましょう。
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