投稿日:2024/10/07
更新日:2024/09/30
でんきの豆知識
集合住宅から戸建てに引っ越すと、多くの場合、部屋数が増えます。そのぶん、照明の数も増えるので、「明かりをつけっぱなしにしていたら電気代が跳ね上がるのでは?」と不安に思っている方もおられるのではないでしょうか。
照明は、冷蔵庫やテレビなどの大型家電に比べると消費電力は少なめです。しかし、毎日かつ長時間使うことも多いため、戸建てに引越す際は照明の電気代がどのくらいになるのか、あらかじめチェックしておくことをおすすめします。
こちらの記事では、照明の電気代の相場や、電気代の計算方法、照明の寿命を解説するとともに、照明の電気代を節約するコツをご紹介します。
目次
照明器具には、種別(形)や口金、定格ランプ電力(W)などの情報が表示されています。しかし、1時間あたりの電気代について明記されているものはほとんどありません。
そのため、その照明にかかる電気代を知りたいときは、表示されている情報を基に、自分で計算する必要があります。
特定の電気製品の電気代を計算する際は、以下の計算式を使用します。
・1時間あたりの電気代=1時間あたりの消費電力量(kWh)×料金単価(円/kWh)
消費電力量は、消費電力(W)×時間(h)で求められるため、1時間あたりの消費電力料は消費電力×1hで計算できます。
例えば、定格ランプ電力が60Wなら、1時間あたりの消費電力は60W×1h=60Whです。
1,000Wh=1kWhなので、計算式では60Wh=0.06kWhを使用します。
一方、料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が提示する電力料金の目安単価を使用します。令和5年8月現在では、令和4年7月22日に改訂された31円/kWh(税込)が適用されるでしょう。
以上の流れで必要な情報を調べたら、実際に照明の電気代を計算してみましょう。上記の例では、1時間あたりの電気代は0.06kWh×31円/kWh=1.86円です。
照明にかかる電気代は、家で使っている照明の数によって異なるのはもちろん、照明の種類によっても差が出ます。
多くの家庭では複数の照明を使い分けているので、照明にかかるトータルの電気代を知りたい場合は、まず家の照明の種類と、それぞれの数をチェックしてみましょう。
こちらでは、照明にかかる電気代を種類別にご説明します。
蛍光灯は、低圧のアルゴンおよび水銀蒸気中の放電によって発生した紫外線が、ガラス製の蛍光管内壁に塗布されている蛍光体に当たって発光する仕組みになった照明です。
リビングやキッチン、洗面台などによく使われる蛍光灯の消費電力は、基本的にサイズに比例して大きくなります。
定格ランプ電力(W)は、種別(形)と同数であるケースが多い(40形なら40W)です。一方、省電力タイプの場合は、より消費電力が少なくなるものもあります。
正確な定格電力は製品のパッケージやメーカーのサイトなどに記載されているため、あらかじめ調べておきましょう。
参考までに、よくある電球型蛍光灯(60形・12W)を一例に挙げると、1時間あたりのおおよその電気代は以下のようになります。
・0.012kWh×31円=0.372円
仮に、この電球型蛍光灯を24時間つけっぱなしにしていた場合、0.372円×24h=約8.92円/日の電気代がかかるでしょう。
白熱電球とは、ぐるぐるに巻かれているフィラメントの中を、電子が通るときに発生する摩擦によって発光する仕組みを採用した照明です。
19世紀に実用されて以降、今日に至るまで使用されている歴史ある照明です。しかし、定格ランプ電力が比較的高めなので、1時間あたりの電気代はほか2つのタイプに比べてかさむ傾向にあります。
参考までに、60形・60Wの白熱電球を例に挙げると、1時間あたりの電気代は以下のようになります。
・0.06kWh×31円=1.86円
仮に、この白熱電球を24時間つけっぱなしにしていた場合、電気代は1.86円×24h=約44.6円です。
前述の電球型蛍光灯に比べると、5倍ほどの電気代がかかるため、電気代を節約したい方にはあまりおすすめできないでしょう。
ただし、白熱電球は暖かみのあるオレンジの電球色を放つため、リラックス効果が期待できます。そのため、寝室のサイドテーブルやフットライトはあえて白熱電球を使用するという方も多いようです。
LEDとはLight Emitting Diodeの略称で、日本語では発光ダイオードと呼ばれる半導体のことです。
従来の光源は、電気エネルギーを一度熱エネルギーに変換してから光エネルギーにするメカニズムになっています。それに比べて、LEDは電気エネルギーを直接光エネルギーに変換できるため、効率よく光を得られるところが特徴です。
そのぶん、消費電力も少ないため、蛍光灯や白熱電球と同等の明るさでありながら、省エネ性の高い照明とされています。
LED電球(60形7.8W)の1時間にかかる電気代を計算してみましょう。
・0.0078kWh×31円=0.2418円
仮に、このLED電球を24時間つけっぱなしにした場合の電気代は、0.2418円×24h=約5.8円です。
かつては、白熱電球や蛍光灯に比べて本体価格が高く、初期費用がかさむというデメリットがありました。しかし、近年はだいぶコストが下がってきたため、消費電力および電気代の省エネ性を考えると非常にコストパフォーマンスの良い照明でしょう。
照明にかかるコストを節約したいのなら、電気代だけでなく照明の寿命にも注意を払わなければなりません。
寿命が短い照明を使用すると、短期間で電球を交換しなければならず、買い替え費用がかさんでしまうためです。
照明の寿命は製品によって異なります。種類別の寿命は次の時間が目安です。
毎日17時~24時まで照明を使ったと仮定した場合、白熱電球の寿命は約5カ月~9カ月間。蛍光灯は約2年~4年。LEDは約16年間です。前述のとおり、1日あたりの電気代はLED<蛍光灯<白熱電球なので、寿命が最も長く、かつ電気代も少ないLEDがお得でしょう。
照明のコストパフォーマンスを知りたいのなら、照明本体の費用も考慮する必要があります。
同じ種類の照明であっても、本体価格はメーカーや製品によって異なるでしょう。おおよその価格相場は以下のとおりです。
最も価格相場が高いのはLED電球で、高価格帯のものになると1つあたり3,000円を超えるものもあります。
一方、白熱電球は、安価なものであれば100円程度で購入できるため、1個あたりのコストはLED電球の1/30程度に留まります。
しかし、白熱電球の寿命はわずか5カ月~9カ月間と短く、毎日7時間の使用で16年間程度は長持ちするLED電球を1個消費する間に、21個~38個も交換しなければなりません。
さらに、1日あたりの電気代の差も考慮すると、初期費用はLEDの方が上回っていても、短期間でコストが逆転するので、最初からLED電球を使用した方がコストパフォーマンスは高いと考えられます。
一方、蛍光灯は白熱電球に比べるとLEDとの電気代の差こそ少ないものの、本体価格は白熱電球の6~12倍、寿命はLEDの約1/3程度です。
白熱電球よりコストパフォーマンスは上でしょう。しかし、長い目で見ればやはりLEDの方が節約・節電になるでしょう。
毎月の電気代を少しでも節約したいのなら、日々の生活で照明の節電を心掛けましょう。
こちらでは、照明の電気代を節約する方法を6つご紹介します。
長時間使わない部屋の照明は、退室する際に照明を都度消すことを心掛けましょう。
小さな電球の場合、1時間あたりの電気代は0.2円~1.8円程度と微々たるものです。しかし、照明は毎日使うものなので塵も積もれば山となります。月単位、年単位で換算すると、節約できる電気代も大きくなってくるので、小まめに照明を消す習慣をつけることが大切です。
ただし、蛍光灯は短時間でON/OFFを繰り返すと照明の寿命が縮まる可能性があるため要注意です。
最近の照明は、部屋の明るさや好みに合わせて明度をコントロールできる調光機能が備わっています。
照明が明るくなるほど消費電力も大きくなるので、必要に応じて調光すれば節電になるでしょう。
例えば、細かい作業を行うときはやや明るめにし、リラックスしたいときはやや明度を落とすなど、利用シーンに合わせて調光すれば、目に負担を掛けずに効率よく節電できます。
照明の電球やカサが汚れていると、光が遮られてしまい、十分な明るさが確保できなくなることがあります。
その場合、本来なら80%の明度で十分なのに、100%にしないと物足りなく感じてしまうおそれがあります。
特に、油汚れの影響を受けやすいキッチンや、人の出入りが多いリビングの照明は汚れがちなので、小まめに清掃してきれいな状態をキープするようにしましょう。なお、お手入れする際は必ず照明の電源を切り、安全を確保してから作業することが大切です。
また、軽い汚れは乾いた布で拭き取るだけで落とせます。しかし、油やタバコのヤニなど頑固な汚れが付着している場合は、住居用洗剤や重曹などを使用するのがおすすめです。
一方、和紙や木材など天然素材を使用した照明は、水拭きするとシミができたり破れたりするおそれがあるため、ハケなどを使ってやさしくゴミやホコリを取り除きましょう。
うっかり照明をつけっぱなしにしてしまう、という方は自動消灯機能付きの照明に交換するのも効果的です。
自動消灯機能付きの照明には人感センサーが搭載されており、人を感知すると点灯し、人がいなくなると自動で照明がオフになります。退室するたびにいちいち手動で消灯しなくて済むので消し忘れを防げる上、手間も省けて一石二鳥です。
ただ、自動消灯機能付きの照明は一般的な照明よりコストが割高になるため、初期費用を節約したいのなら設置場所を考慮する必要があります。
例えば、人のいる時間が長いリビングや、寝返りを打つたびにセンサーが反応してしまう寝室などは、自動消灯機能付きの照明と相性が悪いため、まりおすすめできません。
一方、トイレや洗面所、階段、玄関など人の滞在時間が短い場所とは相性が良いため、節電効果が期待できます。
前述のように、照明は白熱電球、蛍光灯、LEDの3タイプに分かれます。このうち、最もコストパフォーマンスが高いのはLEDです。
LEDは初期費用がかさみます。しかし、電気代が安く、かつ寿命が長くて経済的なので、自宅に白熱電球や蛍光灯がある場合は、LEDに交換するだけで節電効果を期待できます。
2016年4月より、電力が全面自由化され、現在はさまざまな企業が電力の販売事業に参入できるようになりました。
それぞれの電力会社は、他社との差別化を図るため、独自の料金体系やサービスを導入しており、消費者はご自分のライフスタイルやニーズに適した契約を選べるようになっています。
現在契約している電力会社が、自身の生活に合っていないと感じる場合は、電力会社の見直しや乗り換えを検討することで、大幅に節電できる可能性があります。
電力会社を見直す際は、それぞれの会社の料金体系やプラン、サービス内容などをしっかり比較し、ご自分にマッチしたところを選ぶようにしましょう。
照明の電気代は、使用する照明の種類によって差が出ます。節電目的なら、1時間あたりの電気代および1つあたりの寿命が長いLEDに交換することで、電気代を節約することが可能です。
また、「小まめな消灯やお手入れを心掛ける」「調光機能を上手に活用する」などの工夫を取り入れると、より電気代を節約できます。
さらに、生活スタイルに応じて契約している電力会社を見直せば、大幅な節電も可能になるでしょう。
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