毎日使う食洗器って電気代はいくら発生してる?手洗いとどっちがコスパ良い?

投稿日:2024/10/02

更新日:2024/10/02

でんきの豆知識

食洗機は毎日使用するものなので、「毎月どのくらいの電気代が掛かっているの?」と疑問に思う方も多いでしょう。特に引越しなどを機に手洗いから食洗機に変えることを検討している方は、電気代がどれくらい増えるのか気になるところです。

そこで本記事では、食洗機に掛かる電気代の相場や、手洗いと比較した場合のコストパフォーマンス、食洗機に掛かる電気代の節約方法、食洗機を使用するメリット・デメリットについて解説します。

  • 食洗機を導入すると電気代は掛かるが、水道代やガス代を節約できる
  • 食洗機を使用する際は、消費電力の大きいヒーターをなるべく使わないなどの工夫が必要
  • ビルトイン食洗機は本体価格だけでなく取付工事費が発生するので注意
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この記事を書いた人

野中 康平
野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。

食洗機の電気代の相場は1回あたり25~35円

食洗機の電気代の相場は1回あたり25~35円

食洗機に掛かる電気代は、使用する機種の消費電力によって異なります。以下では一例として、ビルトイン食洗機と卓上食洗機の消費電力および1回あたりの電気代をまとめました。なお、電気代は消費電力(kWh)×使用時間(h)×電気料金の目安単価(円/kWh)で計算しています。

電気料金の目安単価は2024年8月時点で31円/kWhです。

タイプ ビルトイン食洗機 卓上食洗機
消費電力 0.55kWh 0.77kWh
運転時間 約90分 約90分
1回あたりの電気代 25.58円 35.81円

仮に朝・昼・夜の計3回使用した場合、1日あたりの電気代はビルトイン食洗機は76.74円、卓上食洗機は107.43円となります。1カ月(30日間)使用した場合はビルトイン食洗機が約2,302円、卓上食洗機は約3,222円です。

もちろん、消費電力は機種によって異なるので上記はあくまで一例ですが、食洗機を導入するとおよそ2,300~3,200円/月の電気代が掛かると考えられます。

食洗機と手洗い、コスパが良いのはどっち?

食洗機と手洗い、コスパが良いのはどっち?

手洗いには食洗機のような電気代は発生しないため、手洗いの方がコスト節約になるのでは?と考えている方は多いでしょう。

確かに手洗いなら電気代は掛かりませんが、水またはお湯の使用料が発生します。特にお湯を使った場合、水道料金に加えてガス代も掛かるため、手洗いでもそれなりのコストが生じます。

では、食洗機と手洗いそれぞれのコストを比較した場合、どちらの方がコストパフォーマンスが高いのでしょうか。

食洗機と手洗いに掛かる水道光熱費

以下では、パナソニック株式会社が提供している手洗いVS食洗機 節約シミュレーションによって算出した手洗いと食洗機のコストをまとめました。

なお、以下のシミュレーションは1日に2回食器を洗った場合を想定しています。

夫婦+子ども1人の3人家族

洗い方 手洗い 食洗機(NP-TCR5)
使用水量 約40L 約9L
1回あたりのコスト 約33.5円 約24.2円
年間コスト 約24,455円 約17,600円

夫婦+子ども2人の4人家族

洗い方 手洗い 食洗機(NP-TCR5)
使用水量 約51L 約8L
1回あたりのコスト 約42.1円 約26.9円
年間コスト 約30,700円 約19,637円

 

夫婦+子ども1人+両親2人の5人家族

洗い方 手洗い 食洗機(NP-TCR5)
使用水量 約75L 約9.9L
1回あたりのコスト 約62.3円 約30.5円
年間コスト 約45,400円 約22,200円

注目すべきは、食器を洗うときに使用する水量です。食洗機を使用した場合の使用水量は、手洗いを使用した場合の約1/4~1/7に留まっています。

さらに手洗いで使ったガス代なども考慮すると、3人家族の場合は手洗いより食洗機の方が年間約6,800円の節約、4人家族では約11,000円の節約、5人家族では約23,200円の節約になるというシミュレーション結果が出ています。

もちろん上記はあくまで目安です。しかし、手洗いから食洗機に切り替えた場合、水道代やガス代を節約できるぶん、コストの大幅な節約を期待できます。

時間の節約にもなる

食洗機で節約できるのは水道光熱費だけではありません。食洗機なら、食器や洗剤をセットしたら、あとはスイッチを入れるだけで自動で食器を洗うことができるので時間の節約になります。

また、立ち続けて多くの食器を洗うと体力を消耗しますが、食洗機に任せればその苦労も省けるので一石二鳥です。

食洗機の消費電力の内訳

食洗機の消費電力の内訳

食洗機を使うと水道代やガス代の節約になりますが、一方で手洗いにはない電気代が掛かります。
では、食洗機はどの工程で電気を消費しているのでしょうか。食洗機の工程は大きく分けると洗浄と乾燥の2つに区分されますが、このうち特に消費電力が大きいのが乾燥の工程です。

パナソニック株式会社のNP-TZ500を例に挙げると、モーターの消費電力は50Hzで68W、60Hzで88Wですが、乾燥に使うヒーターの消費電力は1,100Wです。乾燥工程にはおよそ30分の時間が掛かるため、約17円のコストが掛かります。

一方、洗浄およびすすぎの工程は乾燥よりも時間が掛かりますが、モーターの消費電力が少ないぶん、1時間あたりのコストは乾燥よりも掛からない仕組みになっています。

食洗機に掛かる電気代を節約する方法

食洗機に掛かる電気代を節約するために実践したい方法を5つご紹介します。

まとめ洗いする

食洗機にセットできる食器の数は機種によって異なりますが、およそ20~50点が目安です。

  • 3人分:食器20点前後
  • 5人分:40~50点前後

そのため、規定よりも大幅に少ない数の食器を食洗機で洗ってしまうと、電気や水道を無駄に消費してしまう可能性があります。

機種によっては少量コースなどが搭載されているものもありますが、その場合でも通常の半数程度を目安としているため、2~3枚程度の皿を洗うために使うとコストの無駄使いになってしまいます。

食洗機を賢く使いたいのなら、ある程度洗い物がまとまってから一気に洗浄した方が良いでしょう。
なお、少量の食器は洗い桶などに張った水のなかに浸けておくと、汚れのこびりつきを防ぐことができます。

なるべく乾燥機能を使わない

前述のとおり、食洗機は乾燥のためのヒーターを使う際には多くの電力が必要です。食器を洗うたびに毎回乾燥機能を使っていると電気代がかさみやすくなるので、急いで乾燥させたい場合を除き、普段はなるべく乾燥機能を使わないようにすると節電になります。

なお、食洗機はお湯を用いて洗浄する仕組みになっているため、洗浄が終わった後、庫内はしばらく余熱で高温状態になります。乾燥機能を使わなくても、余熱である程度食器に付いた水分は蒸発するので、時間が経てば自然乾燥させることが可能です。

ただ、一度フタを開けてしまうと熱が逃げてしまうので、余熱で乾燥させるときはフタを開けず、そのまま放置しておきましょう。

予洗いしておく

食洗機は食器を高圧・高温洗浄する仕組みになっているので、手洗いよりも汚れを落としやすいと見るのが一般的です。しかし、油汚れや大量の食べかすが付いたままセットすると、汚れを落としきれないことがあります。

その場合、再び食洗機を使用するか、あるいは手洗いで汚れを落とさなければならず、余計なコストが掛かってしまいます。

また、機種によっては汚れの度合いに応じたモードが設定されていますが、汚れがひどいほど洗浄やすすぎに掛かる時間が長くなるため、やはり電気代が余計に掛かってしまいます。この場合、電気代だけでなく水道代もかさんでしまうので、目立つ汚れがあるときはあらかじめ予洗いしておくのがおすすめです。

ただ、予洗いをやり過ぎると電気代や水道代が掛かって本末転倒になってしまうので、基本的には以下3つのポイントを押さえて実行しましょう。

  • 1.つけ置きしておく
  • 2.固形物を取り除く
  • 3.洗剤は使わない

1は洗い桶などに水を張り、そのなかに食器を入れておけばOKです。水に浸けておくと汚れが浮きやすくなり、短時間の洗浄でも食器をきれいに仕上げることができます。

2は、食べかすや油汚れなどをキッチンペーパーで拭き取っておきます。食洗機には固形物をキャッチする残さいフィルターが付いているので、多少の食べかすなら庫内に残る心配はありませんが、目立つ残さいをあらかじめ取り除いておくと、よりきれいな仕上がりになるでしょう。

3は食洗機を使う際、専用の洗剤を使うことになるので、予洗いの時点で洗剤を使用する必要はありません。

予洗いの時点で洗剤を使うと余計なコストが掛かってしまうだけでなく、残った洗剤は食洗機に悪影響を及ぼし、不具合や故障を引き起こす原因になることもあるので使用は控えましょう。

食器の置き方を工夫する

食洗機を使っているのに汚れがきれいに落ちないという場合は、二度洗いの手間を防ぐため、食器の置き方を見直してみましょう。

ポイントは、水の噴射口に汚れた面がよく当たるようにすること。水は下から上に向かって噴射されるので、カップやコップは下向きに、お皿は内向きに並べることを意識しましょう。また、茶碗など糸底があるものは水が溜まりやすいので、直立させるよりも、やや斜めに傾けるのがおすすめです。

また、お皿同士をぴったり重ねてしまうと水が入りにくくなり、汚れが残りやすくなるので、なるべく間隔を空けて並べることが大切です。

一方、カトラリーは専用の容器に立ててセットするのが基本ですが、箸とスプーン・フォークでは立てる向きが異なるので注意しましょう。

箸は汚れた部分が水によく当たるように下向きに立てますが、スプーンやフォークは口に当たる部分が大きいぶん、下向きに立てると柄の部分に水が当たりにくくなるおそれがあります。そのため、スプーンやフォークはあえて上向きにセットし、全体にまんべんなく水が掛かるよう調節しましょう。

また、大きなフライパンや鍋については、最初に伏せて置いてしまうと水の噴射を妨げてしまいます。

フライパンや鍋を置くときは、皿や茶碗などを並べた上から、かぶせるようにセットしましょう。

給湯接続にする

食洗機は、給水接続と給湯接続の2パターンから選べますが、光熱費を節約したいのなら給湯接続がおすすめです。食洗機では、まずヒーターで40~50度くらいに温めた水を使って洗浄し、最後のすすぎでは60~70度程度まで温度を引き上げる仕組みになっています。

給水接続の場合、この洗浄とすすぎの段階でヒーターを使用した加熱を行うため、消費電力が高くなる傾向にあります。

一方、給湯接続の場合、あらかじめ給湯器の設定温度を高めにしておけば、ヒーターで追加加熱する時間が少なくなるため、節電になるでしょう。そのぶんガス代は掛かりますが、ヒーターによる加熱時間が短縮されるぶん、運転時間が短くなるというメリットもあります。

食洗機を活用することのメリット・デメリット

手洗いから食洗機に乗り換えると、多くのメリットがある一方、いくつか注意しなければならない点もあります。

以下では食洗機を利用するメリットとデメリットを一覧にまとめました。

メリット デメリット
コストを節約できる
時短になる
手間を省ける
食器をきれいに洗える
初期費用が掛かる
電気代が掛かる

それぞれの項目について詳しく解説します。

メリット

食洗器を活用することによる4大メリットを見てみましょう。

コストを節約できる

先でも説明したとおり、食洗機を利用すると手洗いする場合に比べて水道使用量やガス代を節約できます。特に節水効果は非常に高く、少ない水で効率良く食器を洗えるため、水道代の削減につながります。

時短になる

食洗機に食器洗いを任せれば、食器を手洗いしていた時間を丸ごと節約できます。食洗機を稼働させている間、他の家事をしたり、リラックスの時間に充てたりすることができるので、時間をより効率的に使えるでしょう。

手間を省ける

食器洗いは意外と重労働で、大量の食器や調理器具を手洗いするとなると体力を消耗します。食洗機なら食器をセットしてスイッチをオンにするだけで良いので、食器洗いに掛かる手間と労力をカットできるのが利点です。

食器をきれいに洗える

手洗いの場合、つい汚れを見落としたり、細かい部分の汚れを落としきれなかったりしがちです。その点、食洗機は高圧洗浄を行うので、手洗いよりも洗浄力が高く、短時間できれいに仕上げることができます。

また、仕上げに高温すすぎを行うため、高い除菌効果を期待できるところも大きなメリットです。

デメリット

一方でデメリットは2つあります。

初期費用が掛かる

食洗機の一番のデメリットは初期費用が掛かるところです。特にビルトイン食洗機の場合、給排水管の工事が必要になるため、さらに手間と費用が掛かります。

そのため、新築戸建てへの引越しを検討されている場合は、建築施工の段階でビルトイン食洗機の取り付けをお願いした方が良いでしょう。

電気代が掛かる

食洗機を利用すると、手洗いでは不要だった電気代が発生します。そのぶん、水道代やガス代を節約できるのでトータルで考えれば水道光熱費の削減につながりますが、電気代の増加が気になる場合は食洗機の使い方を見直したり、電力会社や契約プランの乗り換えを検討したりすることをおすすめします。

まとめ

食洗機の電気代は機種にもよりますが、1回につき25~35円程度が目安です。手洗いにはない電気代が掛かるのはネックですが、一方で水道代やガス代を節約できるので、トータルで見ると手洗いよりもコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。

さらに、食器洗いの手間や時間を省ける、食器を衛生的に洗えるなど複数のメリットがあるので、日々の家事を楽にしたいのなら食洗機の導入がおすすめです。

なお、電気代が気になる場合はまとめ洗いや自然乾燥などを心掛けるとともに、ライフスタイルに適した電力会社や契約プランへの乗り換えも考えてみましょう。

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