投稿日:2022/01/13
更新日:2024/08/30
でんきの節約術
老後に備えたい、趣味や習い事などの自分磨きの費用を確保したいなど、生活費を把握しようとするタイミングはさまざまな場面で起こります。
本記事では、世帯別の生活費平均や具体的な節約方法を解説します。また、節約によってQOLが著しく低下させないためのコツも紹介しています。
QOLとは「生活の質」のことで、充実した人生や生活を送れているかを示す概念のようなものです。ご自身の世帯の生活費平均を参考にしてください。
目次
まずは、1人暮らし、2人世帯、3人家族、4人家族、5人家族の生活費平均をまとめた以下の表をご覧ください。
総務省の「家計調査 家計収支編 単身世帯(2023年)」と「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(2023年)」によると、1人暮らしから5人家族までの1カ月あたりの世帯別消費支出は以下のとおりです。(※)
世帯 | 1カ月間の生活費平均 |
---|---|
1人暮らし | 167,620円 |
2人世帯 | 264,238円 |
3人家族 | 312,567円 |
4人家族 | 323,324円 |
5人家族 | 341,971円 |
1人暮らしにおける2023年の1カ月間の生活費平均は、17万円弱でした。一方で、2人世帯では2人で26万円強となっており、1人暮らしの1カ月間の生活費を2倍にした金額が34万円程度であることから、2人世帯のほうが7~8万円程度安く抑えられていることがわかります。
家族の人数が増えるほど、1人あたりにかかる生活費は安くなるという傾向があるのは、2人世帯だけではありません。
1人暮らしや2人世帯に比べ、扶養家族がいる3人家族、4人家族、5人家族の世帯では、家族の人数が増えるごとに1人あたりにかかる生活費が減少する傾向にあります。
上記の表より、世帯別の1カ月あたりの生活費平均から、3人家族以上の世帯よりも1人暮らしや2人世帯のほうが高い生活水準を維持しているといえるでしょう。
では次に、世帯別に生活費の内訳を確認しておきましょう。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003000797 ,(2024-08-22).
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-08-22).
総務省の「家計調査 家計収支編 単身世帯(2023年)」によると、1人暮らし世帯の1カ月あたりの生活費平均は、167,620円でした。ただし、月収や必要な支出項目などによって1カ月に必要な生活費は異なります。
1人暮らし世帯の生活費には、どのような支出項目があるのでしょうか。1人暮らし世帯の生活費は、以下の項目によって構成されています。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003000797 ,(2024-08-22).
1カ月に必要な生活費の内訳の目安を紹介します。
家賃は、収入の3割程度に留めるのが一般的です。
食費は、自炊が多い方と外食が多い方でかかる金額は異なります。通信費は、契約しているスマートフォンがキャリアか格安SIMで数千円の差が出やすいです。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003000797 ,(2024-08-22).
1カ月の生活費を17万円とした場合、1年間に必要な生活費は204万円です。1年間の生活費の目安は、以下のとおりです。
たとえば、実家暮らしにすれば家賃が浮くため、年間で72万円程度の支出を減らせます。ランチを外食でなく弁当にすれば、食費の削減も可能です。
2人世帯の1カ月あたりの生活費平均は、264,238円でした。1人あたりの生活費平均は13~14万円程度であることから、1人暮らし世帯に比べ、1人あたり3万円程度、2人分で6万円程度の生活費が少ない傾向にあることがわかります。
共働きの2人世帯なら、生活費を折半できるため、1人暮らしよりも自由に使える生活費が増えます。その反面、水道光熱費や食費、通信費などの利用料金は2倍になるため、安い家賃の物件を選べば、節約につなげやすいです。
自動車を所有している場合は、別途で駐車場代や自動車の維持費、自動車保険の保険料なども必要です。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-08-22).
2人世帯の1カ月の生活費は、26万円強です。2人世帯の1カ月あたりの生活費を構成する支出項目と目安の金額は、以下のとおりです。
2人世帯は、世帯収入がいくらになるかで生活費にかけられる金額が変動します。また、新築を購入すれば家賃はかかりませんが、住宅ローンの返済が毎月必要になるため、上記の割合に収まるようにローンを組まなければなりません。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-08-22).
2人世帯の1年間に必要とされる生活費は310万円程度となります。年間にかかる生活費の目安は以下のとおりです。
妊娠や出産、入学、留学などのライフイベントを考慮した場合、上述した生活費以外にも支出項目が増える可能性があります。
3人家族の1カ月あたりの生活費平均は、312,567円です。1人あたりの生活費は、10万円程度となり、1人暮らしや2人世帯よりも安い傾向にあることがわかります。
ただし、3人家族といっても、構成されているのが大人か子どもであるか、子どもでも未就学児か学生なのかで1カ月あたりにかかる生活費は変動する可能性があるといえるでしょう。
また、子どもがいる場合は教育費や医療費などの費用も発生します。さらに、部活動、習い事や塾などの月謝などが必要な場合、3人家族の生活費平均は上述した金額よりも高くなるでしょう。
3人家族の1カ月の生活費平均は31万円程度で、おもな支出項目と金額は次のとおりです。
3人家族の生活費の大部分を占めるのは食費で、次いで交通・通信費、娯楽交際費の順です。子どもがいない3人家族の場合は、教育費を節約できます。
住居費が2万円程度と少ないのは、総務省の調査において、住居費を支払っていない人が調査対象者に選ばれている可能性が考えられるでしょう。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-08-22).
1カ月あたりの生活費平均を1年に置き換えた場合の目安は、以下のようになります。
3人家族の生活費は、世帯の家族構成や年齢によって必要な費用が変動します。家族に必要な項目を確保できるように、節約すべき項目を把握しておきましょう。
4人家族の1カ月あたりの生活費平均は323,324円で、1人あたりの生活費は8万円程度です。3人家族と同様に、家族構成の年齢などによって生活費は大きく変動することが考えられます。
たとえば、未就学児ではなく、子ども部屋を1人で使用できる小学生以上の子どもが2人以上いる世帯なら、住居費はもちろん水道光熱費や食費、通信費などの負担も増えるでしょう。
さらに、スポーツクラブや習い事などの月謝、それに伴う交通費、保険料なども考慮しなければなりません。また、共働きか専業主婦(主夫)のどちらであるのかによって、生活費にかけられる金額が変わります。
4人家族の1カ月の生活費は32万円程度です。生活費のおもな支出項目と金額の目安は以下のとおりです。
保険や医療費、家具、家事用品、衣類、教育費など、家族の人数が多いほど生活費の負担も増えやすくなるといえるでしょう。また、子どもにスマートフォンやタブレットを持たせる場合は、通信費も高くなりやすいです。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-08-22).
4人家族の生活費は、1年間でどのくらいかかるのか、以下の目安を参考にしてみてください。
二世帯で子どもなしの4人家族なら、教育費はかかりません。一方で、子どもありの場合は、上述したように食費や通信費、交通費などの負担が大きくなりやすいため、後述する電気やスマートフォン、インターネット回線などの契約プランの見直しを検討しましょう。
5人家族の1カ月あたりの生活費平均は341,971円です。生活費に30万円以上かかるとなれば、高所得者でない限り1人が働きに出るだけでは賄えないでしょう。
共働きの世帯やフルタイムの勤労者とパートタイマーで働くといった世帯が考えられます。5人家族で小学生以上の子どもが3人以上いる場合、住居を選ぶ際に子ども部屋の数も考慮する必要があり、それなりの広さのある住居を確保するとなると、住居費の負担も大きくなるでしょう。
4人家族と同様に、水道光熱費や食費、通信費などは高くなる傾向にあります。また、子ども部屋を2~3部屋作る場合は、それぞれの子どもの成長に見合った家具を揃える必要があるため、家具や家電製品なども購入しなければなりません。
ほかにも、スポーツクラブや習い事の月謝、医療保険、交通費なども必要です。
1カ月に必要な生活費は34万円程度で、生活費のおもな支出項目の目安は以下のとおりです。
4人家族に比べ、5人家族の世帯では水道光熱費や食費、娯楽交際費が増加傾向にあることがわかります。
また、家族全員で出かけるために自動車を所有する世帯も多いでしょう。自動車を所有している場合は、自動車の維持費や保険料、駐車場代なども必要です。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-08-22).
1年間に必要とされる生活費の目安は、以下のとおりです。
4人家族の世帯よりも、5人家族のほうが1カ月あたりの生活費や年間の生活費は高いため、安定した収入源を確保しておく必要があるでしょう。
生活費を節約する方法は、世帯の人数に関係なく全世帯が実践できるものです。ここでは、以下の3つの節約方法を紹介します。
家計簿は誰でもすぐに始められる節約方法の1つです。毎月の収入や支出などを家計簿に記録するため、1カ月間のお金の流れを正確に把握できます。
家計簿は100円ショップや文具を扱う店舗で購入できますが、使用していないノート、スマートフォンの家計簿アプリ、Excelなどで家計簿を作成する方法もおすすめです。
家計簿をつける際のポイントは、シンプルな仕組みと振り返りが大切です。家計簿に記録する項目は、食費や交際費、水道光熱費などの5~6種類程度に絞り込みましょう。項目数が増えると複雑になり、家計簿を続けにくくなります。
家計簿は続けなければ、正確な支出を把握できません。継続しやすいシンプルな仕組みを目指しましょう。記録後は、内容を振り返る時間を作ります。
家計簿をつける習慣ができたら、生活費に占める割合が大きい項目は何か、前月に比べて増えている支出がないか、削れる支出はないかなど節約できる項目を見つけましょう。一般的に食費や美容、衣服、交際費などが節約対象になりやすいです。
例えばコンビニでの無駄遣いが目立つ場合は、目的もなく立ち寄らないよう意識するだけでも節約につながる可能性があります。日々の小さな出費を抑えることで、いつのまにか節約ができている状態が理想的です。
出ていくお金は、大きく「固定費」と「変動費」の2つに分けられます。変動費は状況に応じて変化しますが、固定費は基本的に、毎月同等の金額がかかるものを指します。そのため固定費を抑えられるようになると、長期的にみたときに大きな節約効果が得られるでしょう。
先述した生活費のおもな支出項目のうち固定費にあたるのは、住居費や水道光熱費、交通・通信費などです。特に高い節約効果が期待できる取り組みとして、以下の2つを紹介します。
一つずつ見ていきましょう。
スマートフォンの利用料金を構成するものは、基本プラン、通話料金、オプション料金の3つです。契約プランを見直せば、毎月にかかる利用料金を節約できます。
基本プランは、携帯会社によってさまざまな種類のプランがあります。一般的に、使い放題や使用したデータ容量などで支払う料金が決まる定額プランを選ぶ方が多いです。
自分が1カ月に使用するデータ通信量が選んだプランに合ったものでなければ、無駄な料金を支払うことになります。通話料金は無料の通話アプリを利用すれば、必要最低限の料金に抑えられます。
スマートフォンの契約時に、何となくオプションを契約している方も少なくありません。セキュリティ強化やバックアップ、保証などの必要最低限のものだけを残して、不要なものを解約するだけでスマートフォンの利用料金を節約できます。
また、キャリアから格安SIMに乗り換えれば、大幅な利用料金の削減が可能です。ただし、違約金が発生する場合があるため、契約満了のタイミングでの乗り換えがおすすめです。
大手電気会社から新電力へ切り替えれば、電気料金の節約が可能です。新電力とは、2016年4月から開始されている電力小売自由化によって、新規参入した小売り電気事業者を指します。
従来は、住まいの地域を管轄する大手電力会社から電気を買う必要がありましたが、法改正によって電力の小売りが可能になりました。
新電力へ切り替えた場合、電気料金が安くなる、ガスやインターネット回線と電気をセットで契約すると割引が適用されるなど、毎月の電気料金を安く抑えられる可能性があります。
ただし、小売り電気事業者を選ぶ際は、料金プランの内容を確認しましょう。電気事業者のホームページなどで電気料金のシミュレーションを利用すると、目安の電気料金を確認できます。
新電力に切り替える際は、契約中の電力会社の解約に違約金が発生しないかの確認も必要です。違約金が発生する場合は、契約期間が満了になるタイミングで新電力に切り替えましょう。
スマートフォンの利用料金を構成するものは、基本プラン、通話料金、オプション料金の3つです。契約プランを見直せば、毎月にかかる利用料金を節約できます。
基本プランは、携帯会社によってさまざまな種類のプランがあります。一般的に、使い放題や使用したデータ容量などで支払う料金が決まる定額プランを選ぶ方が多いです。
自分が1カ月に使用するデータ通信量が選んだプランに合ったものでなければ、無駄な料金を支払うことになります。通話料金は無料の通話アプリを利用すれば、必要最低限の料金に抑えられます。
スマートフォンの契約時に、何となくオプションを契約している方も少なくありません。セキュリティ強化やバックアップ、保証などの必要最低限のものだけを残して、不要なものを解約するだけでスマートフォンの利用料金を節約できます。
また、キャリアから格安SIMに乗り換えれば、大幅な利用料金の削減が可能です。ただし、違約金が発生する場合があるため、契約満了のタイミングでの乗り換えがおすすめです。
大手電気会社から新電力へ切り替えれば、電気料金の節約が可能です。新電力とは、2016年4月から開始されている電力小売自由化によって、新規参入した小売り電気事業者を指します。
従来は、住まいの地域を管轄する大手電力会社から電気を買う必要がありましたが、法改正によって電力の小売りが可能になりました。
新電力へ切り替えた場合、電気料金が安くなる、ガスやインターネット回線と電気をセットで契約すると割引が適用されるなど、毎月の電気料金を安く抑えられる可能性があります。
ただし、小売り電気事業者を選ぶ際は、料金プランの内容を確認しましょう。電気事業者のホームページなどで電気料金のシミュレーションを利用すると、目安の電気料金を確認できます。
新電力に切り替える際は、契約中の電力会社の解約に違約金が発生しないかの確認も必要です。違約金が発生する場合は、契約期間が満了になるタイミングで新電力に切り替えましょう。
大手の電力会社から新電力への切り替えを検討しているが、どの会社を選べばいいのか分からない方もいるかもしれません。中でもおすすめなのは「TERASELでんき」です。
「TERASELでんき」に切り替えれば、今よりもさらに電気料金が安くなる可能性があります。
電力を供給する際は、現在ご利用中の送配電網を使用するため、工事や費用は必要ありません。「TERASELでんき」へ切り替えるメリットは、毎月の電気料金に応じたポイントやギフト券がもらえる点です。
楽天ポイントやAmazonギフト券などの6種類の中から好きな特典を選べます。また、ホームページ上のシミュレーションを利用すれば、自分に合った料金プランを確認できます。
お住まいの地域が供給エリア内であれば、お得になるチャンスです。供給エリアは、以下の一覧より確認できます。
節約によって、QOL(生活の質)が低下すれば、日常生活に不満が募り、節約を続けられなくなる可能性があります。QOLを下げないためには、以下の2つのコツを参考にしましょう。
生活に必要ないからとすべての費用を切り捨てると、ハリのない人生になってしまいます。節約時に重要なポイントは、投資と浪費を分けて考えることです。
投資は将来に役立ちますが、浪費は一時的な欲求を満たすだけで消費するだけです。両者の違いを把握した上で、節約すべきものを判断しましょう。
次に、半年後、1年後の生活をイメージすると目的・目標が明確になり、節約を続けやすくなります。それぞれのコツの詳細は、以下で解説します。
生活上で必要ない支出は、投資と浪費に分けて考えましょう。何が投資で、浪費なのかが分からないと、人生を豊かにするために必要な支出まで削ってしまい、自分や家族のQOLを低下させてしまいます。
投資とは、なくても生活はできるものの、将来に役立てられる支出です。一方で、浪費は生活に不要な支出を意味します。
直近の1カ月間の生活費の中で、生活に必要な支出を消費とし、生活に不要な支出の項目を投資、浪費のどちらかに分類しましょう。
一般的に、理想的な支出の割合の内訳は、消費が70%、投資が25%、浪費が5%です。浪費の割合が多い場合は、項目の中で削減できるもの、1カ月に支出する料金を減らせるものがないかを考え、節約につなげましょう。
ただ何となく節約するのではなく、半年後や1年後の生活をイメージしましょう。目的があると、節約に意義が生まれてモチベーションを保てるため、QOLの低下を未然に防げます。
また、1年後に50万円を貯めるなどの目標が定まれば、毎月いくら節約すればいいのかが分かり、具体的な節約方法を考えやすくなります。
例えば、半年後に家族全員で旅行を楽しむための旅費を貯めたい、1年後に資産運用を始めるためのまとまった資金を確保したいなどです。
節約するにはまず支出を制限しなければならないため、時には我慢を強いられる場合もあります。しかし、半年後、1年後の生活をイメージして目的・目標を持つことで、支出の制限を前向きに捉えられます。
世帯ごとに1カ月あたりにかかる生活費の平均は異なります。傾向として、1人暮らしよりも2人世帯、3人家族、4人家族、5人家族というように家族が多い世帯ほど1人あたりの生活費が安くなっていることがわかりました。
扶養する家族が増える、高齢の両親と同居するなど、家族構成が変わり生活費の見直しが必要になった場合は、節約方法で紹介した電気やスマートフォンなどの契約プランの見直しを検討しましょう。
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