冷蔵庫の電気代はどのくらい?買替のタイミングや節約術をご紹介

投稿日:2021/12/24

更新日:2024/09/03

でんきの節約術

冷蔵庫は24時間365日稼働し続けるため、ご家庭で使用する電化製品の中でも消費電力が多くなる傾向があります。

消費電力が多いということは電気代も高くなるということ。

冷蔵庫の電気代を少しでも安くしたいと考える方は多いのではないでしょうか。今回は冷蔵所を買い替えるタイミングやご家庭で簡単にできる節約術などについてご紹介します。

なお、本記事の情報は2024年8月時点での情報になります。最新の情報は各公式ページをご参考ください。

この記事を書いた人

野中 康平
野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。

冷蔵庫の電気代はどのくらい?

冷蔵庫の電気代は容量ごとに異なります。冷蔵庫の容量は、168L(1人暮らし用)、365L(2~3人暮らし用)、470L(3~4人暮らし用)、600L(4人以上)といったように、世帯人数を基準に分かれています。冷蔵庫の電気代の目安を容量別に見ていきましょう。(※)

容量 168L 365L 470L 600L
電気代/月 約670円 約760円 約710円 約570円
電気代/年 約8,040円 約9,120円 約8,520円 約6,840円
年間消費電力 298kWh 341kWh 315kWh 252kWh

冷蔵庫は同じ容量のものであっても使用状況によって消費電力が異なるため、実際にかかっている電気代はメーカー公式情報から乖離が見られる場合があります。

より実態に近い電気代を把握したい場合は、「消費電力測定器(ワットチェッカー)」を利用してみると良いでしょう。

参考:【冷蔵庫】年間消費電力量(電気代金)が知りたい|Panasonic
https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/9899
参考:わが家にピッタリの冷蔵庫を選ぶ | Panasonic
https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/9899

電気代の計算方法

冷蔵庫に限らず、電気代は「kWh(電力量)×料金単価」で算出できます。

料金単価は家庭によって異なりますが、電力量は「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間×料金単価(円/kWh)」で算出可能です。例えば、消費電力が1,000Wの電化製品を6分間使用したとします。

  • 電力:1,000W(1kW)
  • 時間:6分間(=0.1時間)

電力量を求める計算式は、1kW×0.1時間=0.1kWh

上記の計算式によって、消費電力が1,000Wの電化製品を6分間使用した場合、電力量は0.1kWhであることがわかります。

電気の使用量を表す単位「kWh」とは?

電気代の計算を正確に行うためには、「kWh(キロワットアワー)」について理解しておく必要があります。kWhの計算式は「kW(電力)×h(時間)=kWh(電力量)」です。つまり、1,000Wを必要とする電化製品を1時間使用した際の電力量が1kWhになります。

全国家庭電気製品公正取引協議会が「新電力料金目安単価」として示している価格は、1kWhあたり27円(税込)です。(※)この数字を基準にすることで、より実情に近い電気代を算出することができます。

出典:電力料金の目安単価の改定に関する件 | 全国家庭電気製品公正取引協議会
https://www.eftc.or.jp/qa/qa_pdf.pdf

冷蔵庫の大きさと電気代は比例しない

基本的に電化製品は大きくなるほど消費電力が増え、電気代も高くなります。

しかし、意外に思われるかもしれませんが、冷蔵庫の場合は、容量が大きくなるほど電気代が安くなります。

その理由はずばり、性能です。大型の冷蔵庫は1人用などの小さな冷蔵庫と比べると、省エネ効果が高い仕組みや冷たさを保ちやすい構造になっているものが多く、その分消費電力を抑えやすいです。

冷蔵庫自体の価格は高くなりがちですが、長く使うことを考えれば、大きなものを選んだほうがかえってお得になるかもしれません。「我慢して小さな冷蔵庫を使っているけれど、本当はもう少しスペースがほしい……」とお悩みの方は、ぜひ買い替えを検討してみてください。

ここで、電気代を抑えられる要因でもある、大型の冷蔵庫に備わっていることの多い特徴を3つ紹介します。

冷却の仕組み

小型で低価格帯を売りにしている製品でないかぎり、最近の冷蔵庫のほとんどは、省エネ性能を備えているといえるでしょう。よくある機能にはセンサーやインバーター制御などが挙げられる他、人工知能が搭載されたモデルのものもあります。

インバーターとは、冷蔵庫を効率よく運転させるための技術のことです。センサーで測定した開閉状況や庫内の温度、周辺温度に応じ、インバーター制御によってモーターの回転数を変えることで、無駄な電力を消費するのを防ぎます。従来の冷蔵庫は、一定の速度で回転するコンプレッサーやモーターによって運転していたため、庫内の温度などにかかわらず一定の温度で冷やし続けるのみの仕組みでした。インバーター制御機能が搭載された冷蔵庫に買い替えることで、庫内の冷え具合に応じた運転ができるようになり、省エネにつながると考えられます。

また冷蔵庫に搭載される人工知能は、連動させたスマートフォンから人の生活パターンを読み、冷やし方に変化を付けられるようなものがあります。高性能のものを選ぶことで、長期的視点でのコストダウンが期待できるはずです。

断熱性能

大きな冷蔵庫は、広い庫内を冷たく保つため、断熱性の高い真空断熱材が使われる傾向にあります。断熱性とは、庫内の温度を冷たいまま保つ力のことです。保冷のできる水筒のように、断熱性が高ければ庫内温度が上昇しにくくなるので、温度を下げるために必要となる電気が少なくて済むようになります。

また冷蔵庫は大きければ大きいほど、庫内の容量に対する表面積が小さくなります。冷気は冷蔵庫の表面から逃げていくため、大きな冷蔵庫は、庫内が冷たい状態を保ちやすいという性質も持ち合わせているのです。この点も、大型の冷蔵庫の特徴といえます。

余裕があるから冷やしやすい

冷蔵庫の容量に対して中に入れるものが少ないと、庫内の空間に余裕が生まれ、空気を冷やすための冷気が流れやすくなります。反対に庫内が冷えにくい場合は、冷蔵庫にものを入れ過ぎているのかもしれません。パンパンになるまで食品を詰め込んだ結果、「なんだか冷蔵庫の中が冷えにくい」と感じたことのある方もいるのではないでしょうか。

大きな冷蔵庫に一定の量のものを入れる場合、小さな冷蔵庫と比べると、当然ながら庫内のスペースはゆったりと使えます。そのため庫内全体へ冷気がしっかりと行きわたり、効率よく冷やすことが可能です。

冷蔵庫を買い替えるタイミング

使用状況にもよりますが、冷蔵庫の寿命は10年程度とされています。

古い冷蔵庫の冷却モーターは一定の回転数で稼働しているものが一般的ですが、最新型の冷蔵庫はインバーター制御によって扉の開閉回数や周囲の温度に応じてモーターの回転数を調整可能になっています。

古い冷蔵庫を使用している場合、最新型のものに買い替えるだけで電気代をある程度節約できる可能性があります。

冷えが悪くなる

冷蔵庫が庫内を冷やすことができるのは、「気化熱」と呼ばれる作用を利用しているためです。冷蔵庫の冷えが悪くなった場合、冷媒回路が故障している可能性があります。冷媒回路の修理費用は高額になる傾向があるため、購入から10年近く経過している場合は修理よりも買い替えがおすすめです。

購入から10年未満の場合は故障箇所にもよりますが、部品交換のみで安価に済ませることができます。メーカーの保証期間内の場合もあるため、確認しましょう。

水漏れが発生する

冷蔵庫内で水漏れが発生した場合、ドレンホースの詰まりが原因であることがほとんど。

ドレンホースとは庫内で発生した霜や結露を排水するための管のこと。庫内で発生した水はドレンホースを通って専用の受け皿である「ドレンパン」に溜まる仕組みになっています。しかし、ドレンホースにゴミやほこりが詰まっていたり、外気温が低い日にホース内の水が凍ってしまったりすると、ドレンパンまで水を運ぶことができずに逆流してしまうのです。

異音が発生する

冷蔵庫から異音がする場合、原因となる箇所はコンプレッサーかファンである場合がほとんどです。コンプレッサーは冷気を作る上で大切な役割を果たしています。コンプレッサーは稼働中振動し続けるため、故障するとブーンと低い音が聞こえることも。

ファンは庫内全体に冷気を送る役割があり、冷蔵庫のドアを開けると停止、閉めると稼働する仕組みになっているのです。またカラカラと音が聞こえる場合は、ファンの故障が考えられます。

冷蔵庫を買い替える際にチェックしておきたい4つの機能

冷蔵庫に限らず電化製品の機能は年々向上しています。

使い勝手だけではなく、省エネや電気代の節約に効果的な機能を搭載している冷蔵庫も。これからご紹介する機能が搭載されている冷蔵庫に買い替えることで、従来のものよりも電気代を大幅に抑えることが可能です。電気代の節約に効果的な冷蔵庫に搭載されている主な4つの機能についてご紹介します。

節電モード

節電モードとは、ドアの開閉や使用状況に応じて消費電力を自動調整する機能です。従来の冷蔵庫の場合、庫内温度は「強」「中」「弱」とダイヤルで調整する必要がありました。しかし、庫内の状況に応じて毎回自分で調整するのは無理があるでしょう。節電モードを搭載している冷蔵庫は、庫内の食品への影響が少ない範囲で自動で冷却を弱めたり、庫内のLEDライトを減光したりすることができます。

インバーター制御機能

インバーター制御機能とは、コンプレッサーやモーターなどの回転数を状況に応じて自動変更できる機能です。扉の開閉回数や庫内や周辺の温度などを踏まえて細かく設定変更ができるため、冷却力を効率的に制御可能。節電モードとインバーター制御機能を併せて使用することで、電気代を大きく抑えられます。

真空断熱材

真空断熱材とは、外部から熱の侵入を防ぐために庫内の内壁を覆っている断熱材です。従来の冷蔵庫に使用されている断熱材は非常に分厚いものが多くありましたが、近年の真空断熱材は断熱効果が高く、薄い特徴があります。

ノンフロン

ノンフロンとは、冷媒装置と断熱発泡剤にフロンを使用していない冷蔵庫です。フロンは燃えにくく扱いやすいという特徴があるため、冷蔵庫やエアコンなどに使われていました。しかし、フロンによるオゾン層の破壊が認知されるようになり、現在フロンを電化製品に用いることは禁止されています。ノンフロンタイプの冷蔵庫は、フロンの代わりに「ヒートポンプ」という新たな技術を搭載しているため、電力の消費を抑えられるのです。

冷蔵庫の電気代を節約する6つの方法

一般家庭で使用する電化製品の中でも、冷蔵庫は特に電力消費量が多く、電気代が高くなる傾向があります。しかし、使い方次第で消費電力を大幅に抑えることが可能です。ここでは、冷蔵庫の電気代を節約する方法についてご紹介します。

冷蔵庫の周囲に物を置かない

「小型冷蔵庫の上に電子レンジを置いている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。冷蔵庫は庫内の暖かい空気を放熱しながら冷却しています。冷蔵庫の周囲に物を置いていたり、壁から近かったりすると放熱するスペースが少なく、より電力を消費してしまうのです。冷蔵庫を設置する際には、最低でも壁と冷蔵庫の間に左右0.5cm以上、上部に5cm以上のスペースを空けるようにしましょう。(※)

参考:よくあるご質問 | SHARP
https://jp.sharp/support/refrigerator/faq_hot-ko_8.html

温かいものは冷ましてから入れる

温かいものをそのまま冷蔵庫に入れてしまうと、庫内の温度が一気に上がってしまうため、一時的に消費電力が増えてしまうのです。牛乳や卵などは少しの温度変化でも影響を受け、最悪の場合腐ってしまうことも。温かいものを冷蔵庫に入れる際は、完全に冷えたことを確認しましょう。

食品を詰め込みすぎない

冷蔵庫に食品を詰め込みすぎてしまうと、空気の循環を上手く行うことができず、庫内の温度を均一に保てなくなってしまいます。なかなか冷えなくなった庫内をさらに冷やそうと電力を過剰消費してしまうため、電気代が余分にかかってしまうのです。

冷蔵庫に食品を入れる際は、奥の壁が見えている程度。

食品量に対して冷蔵庫が小さいと感じる場合は、容量が大きい冷蔵庫に買い替えることで電気代を抑えられるでしょう。

ドアの開閉時間を少なくする

ドアの開閉時間が長くなるほど、庫内の冷気が外へ逃げていってしまうもの。

冷蔵庫の扉を開ける回数を少なくしたり、1回あたりの開閉時間を短くしたりすることで節電効果が見込めます。1日あたりのドアの開閉回数が25回から50回に増えたばあい、消費電力が約6%増加するという研究結果もあります。(※)ドアの開閉時間や回数は軽視されがちですが、コツコツ続けることで電気代を抑えることができるのです。

出典:家庭でできる節電アクション | みんなで節電アクション!
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/setsuden/home/saving04.html

契約アンペア数を見直す

毎日生活していても、契約しているアンペア数を意識する機会はあまりないかもしれません。そもそもアンペア(A)とは、電気が流れる大きさを表す単位。電力会社は各家庭が契約しているアンペア数を元に送電しているのです。一般家庭向けの契約アンペア数は10~60Aで、居住人数や生活スタイルに応じて自由に選ぶことができます。アンペア数は小さすぎるとすぐにブレーカーが落ちてしまうほか、大きすぎると基本料金が高くなるため、適正量を契約することが重要に。東京電力を例に契約アンペア数と基本料金をご紹介します。(※)

アンペア(A) 基本料金(円/月額)
10A 286.00円
15A 429.00円
20A 572.00円
30A 858.00円
40A 1,144.00円
50A 1,430.00円
60A 1,716.00円

契約中のアンペア数を調べる方法は、「ブレーカーを見る」「検針票(電気ご使用量のお知らせ)を確認する」2つです。分電盤は各家庭へ電気を分配するための装置で、玄関やキッチン、脱衣所などに設置されていることが一般的。アンペア数は分電盤上の色や数字によって確認できます。アンペア数別の色や数字は電力会社によって異なるため、現在契約中の電力会社のWebサイトを確認するようにしましょう。

出典:ご契約アンペアに応じて決まる基本料金 | TEPCO 東京電力エナジーパートナー』
https://www.tepco.co.jp/ep/private/ampere2/ampere02.html

契約電力会社の変更を検討する

電力の契約は、国内で電力事業を行っている10社に限定され、済んでいる地域によって契約できる電力会社が固定されていました。しかし、2016年に「電力小売自由化」と呼ばれる電力事業の大きな改革によって、今まで固定されていた電力会社以外と契約できるようになったのです。

電力自由化を皮切りに、多くの企業が電力事業に進出した結果、電気代の低価格化が進みました。毎月使用する電力量に変更がなくても、ご自身のライフスタイルにあったプランを選ぶことで、今よりも電気代を大幅に安くできる可能性があります。

大手エネルギー商社、伊藤忠エクネスグループの株式会社エネクスライフサービスが運営するTERASELでんきは、電気を使うほどお得になる「超TERASELでんきプラン」を新プランとして発表。このプランは電気を使うほどお得になるというもので、同居家族が多かったり、テレワークの機会が増えて使う電気量が増えたりした方におすすめです。

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今回は冷蔵庫の電気代や節約方法などについてご紹介しました。冷蔵庫は毎日の生活の中でなくてはならない電化製品のひとつ。しかし、ご家庭で使用する電化製品の中でも消費電力が多い傾向があります。「少しでも電気代を安くしたい」とお考えの方におすすめなのが、電力会社の切り替えです。電力小売自由化により誰もが希望の電力会社と契約できるようになりました。「超TERASELでんきプラン」はライフスタイルに応じた料金プランをご用意。無料で料金シミュレーションを行えるため、一度お試しされてみるのはいかがでしょうか。

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