投稿日:2024/10/02
更新日:2024/09/30
でんきの節約術
集合住宅から新築の一軒家に引越した直後の電気料金の請求書を見て、あまりの高さにびっくりしたという方もおられるのではないでしょうか。
新築一軒家に引越すと、多くのケースで大なり小なり電気代が上がる傾向にあるため、引越しの際は、電気代がどのくらい増えるのか、あらかじめチェックしておくことをおすすめします。
こちらの記事では、一軒家の平均的な電気代や、電力別の電気代、一軒家に引越した際に電気代が上がる理由、電気代を節約する方法についてご紹介します。
目次
家族構成や部屋の間取りが同じであっても、一軒家と集合住宅では毎月の電気代に若干の差が出ます。
こちらでは、4人家族が3LDKの住宅で生活した場合の平均的な月間電気代についてご説明します。
結論からお伝えすると、集合住宅よりも一軒家の電気代は、約3,700円/月の支出増となります。(地域性の考慮はしておりません)
東京都環境局の「平成26年度東京都家庭のエネルギー消費動向実態調査報告書」によると、集合住宅に住む4人世帯の月間平均電気使用量は316kWhです。
参考:東京都環境局 『平成26年度東京都家庭のエネルギー消費動向実態調査報告書』
現在の1kWhあたりの電気代の目安単価は31円/kWhです。つまり、316kWh×31円=9,796円が、集合住宅の月間平均電気代と考えられます。
参考:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 『よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?』
上記でご紹介した東京都環境局の調査報告書によると、一軒家に住む4人世帯の月間平均電気使用量は436kWhです。
参考:東京都環境局 『平成26年度東京都家庭のエネルギー消費動向実態調査報告書』
これを先ほどの計算式に当てはめると、一軒家の月間平均電気代は436kWh×31円=13,516円です。
もちろん、実際の消費電力は、電気の使い方や使用している家電製品、住宅の構造などによって異なります。さらに、世帯人数と間取りが同じでも、集合住宅か一軒家かによって電気代に大きな差が生まれるでしょう。
なぜ一軒家の方が集合住宅よりも電気代が割高になるのかについては、後述します。
電気代は、世帯人数や住宅の種別だけでなく、地域によっても変動します。地域ごとの月間の電気代平均は以下のとおりです。
地域 | 月間平均電気代 |
---|---|
北海道 | 11,254円 |
東北 | 12,397円 |
関東 | 9,881円 |
北陸 | 13,096円 |
北陸 | 13,096円 |
東海 | 10,517円 |
近畿 | 9,268円 |
中国 | 11,699円 |
四国 | 11,225円 |
九州 | 8,649円 |
沖縄 | 9,277円 |
上記の表を見ると、電気代は北陸地方、北海道、東北の順に高いことが分かります。これらの地域に共通しているのは、冬の寒さが厳しく、長く続くことです。寒い地域では暖房費が高くなるため、電気代もかさむ傾向にあります。
実際、沖縄は温暖な気候が続くぶん、電気消費量が少なく、月間平均電気代は唯一10,000円を下回っています。
このように、地域によって月間の電気代に1,000円~3,000円程度の差があるため、地域をまたいで引越す場合は要注意です。
地域別の電気代については、「世帯別・季節別・地域別の電気代平均は?節約チェックポイントもご紹介」の記事も参考になさってください。
住宅の種類は、使用する電力のタイプによって「オール電化」「都市ガス+電気」「LPガス+電気」の3パターンに区分されます。
このうち、ガスを併用するタイプはハイブリッド型といわれており、電気(ヒートポンプ)とガスを併用して効率的にお湯を作る給湯システムが採用されています。以下ではそれぞれのタイプの概要をまとめました。
項目 | タイプ |
---|---|
オール電化 | 家庭で使用するすべてのエネルギーを電気でまかなうタイプ |
都市ガス+電気 | 電気を熱源とするヒートポンプ給湯機と、都市ガスを熱源としたガス温水機器を併用するタイプ |
LPガス+電気 | 電気を熱源とするヒートポンプ給湯機と、LPガスを熱源としたガス温水機器を併用するタイプ |
全て電気でまかなうか、あるいはガスを併用するかによって電気代は大きく変化するでしょう。現在住んでいる住宅と、引越し先の一軒家で使用するエネルギーが変化する場合は要注意です。
こちらでは、電力タイプ別の平均電気代を一軒家・集合住宅ごとにご説明します。
日本生活協同組合連合会が公開している「我が家の電気・ガス料金しらべ」報告書(5月分)によると、オール電化を利用している一軒家の月間電気代の平均は10,170円、集合住宅は9,874円です。
参考:日本生活協同組合連合会『わが家の電気・ガス料金しらべ」報告書(5月分)』
電気とガスを併用しているハイブリッド住宅の場合、ガスの種別によって電気代が変動します。
上記でご紹介した報告書によると、都市ガスと併用している一軒家の月間平均電気代は12,686円、集合住宅は10,882円です。
一方、LPガスと併用している一軒家は13,777円、集合住宅は12,276円です。
参考:日本生活協同組合連合会『わが家の電気・ガス料金しらべ」報告書(5月分)』
オール電化の場合、ガスを使用しないぶん、ハイブリッド型住宅より電気消費量はかさみますが、ガスを含めたトータルの光熱費で比較すると、オール電化の方が月間で2,000円~3,000円ほど安くなっていることが分かります。
ただし、オール電化住宅にする場合、電気給湯器や電磁調理器を導入しなければなりません。これらの導入費用は一般的にガス給湯器やガス調理器に比べて割高になるため、初期費用がかさむ点に注意しましょう。
電力タイプ別の平均電気代については、「世帯別・季節別・地域別の電気代平均は?節約チェックポイントもご紹介」も参考にしてください。
新築一軒家に引越してから、急に電気代が高くなったと感じる理由は大きく分けて5つあります。
集合住宅から一軒家に引越すと、部屋数や面積が増えるので、使用する電化製品の数も比例して増加する傾向にあります。
電化製品の数が増えると、より大きな電圧が必要になるため、家電使用中にブレーカーが落ちることがないよう、新築ではより大きなアンペア数を契約せざるを得ないでしょう。
月々の電気代は基本料金+電力量料金+再エネ賦課金の3つを合算した額になります。
このうち、基本料金は契約アンペア数ごとに固定されているため、アンペア数を変更すると月々の電気代も変化します。
契約アンペアごとの基本料金は契約している電力会社によって異なるでしょう。以下では、一例として東京電力の基本料金をまとめてみました。
契約アンペア数(A) | 10 | 15 | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
月額基本料金 | 311.75円 | 467.63円 | 623.50円 | 935.25円 | 1,247.00円 | 1,558.75円 | 1,870.50円 |
例えば、夫婦2人暮らしをしていた集合住宅(契約アンペアが30A)から、出産や同居を機に一軒家に引越すにあたり、世帯人数の増加にともなって契約アンペア数を40Aに変更したとします。
すると、基本料金が935.25円から1247.00円と、300円近く上がってしまいます。
特に、オール電化の住宅などでは、通常より大容量の電力供給が必要となることがあります。具体的には、100Aや150Aといった、一般家庭よりも高い契約電力を結ぶケースがあるので注意が必要です。
なお、契約アンペア数を変更しても使用量に応じて決まる電力量料金の単価に変化はありません。しかし、使用する電化製品が増えれば電力使用量も増えるため、基本料金の加算も重なって、いきなり電気代が上がったように感じる可能性があります。
集合住宅から新築一軒家に引越した後も、旧居から持ち込んだ電化製品をそのまま使用する場合がありますが、部屋の畳数が大きくなった場合、既存のものでは満足する機能を果たせない可能性があります。(例:冷房が効きにくい、照明が暗すぎるなど)
その場合、よりパワーの大きい電化製品に買い替えなければならず、消費電力も当然ながら追加されることになります。
ほかにも、「リビングが広くなったから大画面のテレビに買い替えた」「世帯人数が増えたので冷蔵庫を大容量のものに替える必要があった」などの理由で、大型家電を買い替えると、月々の電気代が跳ね上がる原因となるでしょう。
断熱性は外気温の影響を遮断する性能のことです。一方の気密性は、外気の侵入を防ぐ性能のことです。
断熱性・気密性の高い住宅ほど、外気の影響を受けにくいため、夏は涼しく、冬は暖かい快適な空間を作りやすいでしょう。
住宅の断熱性・気密性は建物の構造によって決まります。木造住宅は鉄筋コンクリート造などのマンションに比べて、断熱性は高いものの、隙間が生じやすいぶん、気密性は低い傾向にあります。
そのため、マンションから一軒家に引越すと、気密性の低さから冷暖房費により多くの電力を消費しがちになり、電気代がかさむ場合が多いようです。
近年は、木造住宅であっても、優れた断熱工法・気密工法を採り入れることによって鉄筋コンクリート造のマンションに近い、あるいはそれ以上の気密性を実現している住宅もあります。しかし、そうでない一般的な木造住宅に引越した場合、気密性の低さから冷暖房の使用頻度が高くなる可能性があることは覚えておきましょう。
結婚や出産を機にマイホームを建てたり、両親との同居を理由に二世帯住宅を建設したりした場合、引越しと同時に世帯人数が増えるでしょう。
電力消費量および電気代は、世帯人数に比例するため、家族が増えれば、それだけ電気代も増加します。
実際の電気代は世帯ごとの生活様式や住宅の構造などによって異なります。一般的には、世帯別の月間平均電気代は以下のようになっています。
世帯人数 | 月間電気代の目安 |
---|---|
1人世帯 | 6,726円 |
2人世帯 | 10,940円 |
3人世帯 | 12,811円 |
4人世帯 | 13,532円 |
5人世帯 | 14,373円 |
参考:総務省『家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2023年』
例えば、今まで一人暮らししていた人が結婚を機にマイホームを購入し、夫婦2人世帯になった場合、月々の電気代は4,000円弱ほど増加します。
2人世帯以上になると、1人増えるごとの電気代の差は微々たるものになるでしょう。しかし、ここまでご紹介した他の要素も重なると値上がりの幅はより大きくなるため、引越した直後は電気代の請求額に驚くかもしれません。
世帯別の電気代平均について、詳しくは「世帯別・季節別・地域別の電気代平均は?節約チェックポイントもご紹介」もご覧ください。
2022年、ロシアのウクライナ侵攻にともなうロシア産資源の禁輸や、新興国のエネルギー需要の向上などにより、燃料価格が世界的に高騰する事態が発生しました。
この影響で、日本の燃料輸入価格も高騰し、電気を作るためのコストが増加したため、必然的に電気代も値上がりすることとなりました。
さらに、円安の影響を受けると、外貨に対する円の価値が下がるため、燃料輸入価格がさらに割増になります。
こうした複数の要因が重なったところに、電力消費量の多い一軒家に引越すと、月々の電気代が大幅に増えてしまうことになります。
一軒家住宅に引越すにあたって実践したい電気代節約術を4つご紹介します。
新居に引越す際は、契約している電力会社にあらかじめ連絡し、旧居での電気の利用停止および新居での電気利用開始の手続きを行う必要があります。
この手続きを機に、新居で利用する電気の契約内容を改めて見直してみてはいかがでしょうか。
例えば、「家族のライフスタイルや電気の使用量に適したプランに変更する」「新しい契約プラン、スタイルを採用している電気会社に乗り換える」などです。
特に、新電力会社の中には、ほかの光熱費とのセット割引が適用されたり、電気代に応じてポイントを付与したりするサービスを提供しているところもあります。上手にプラン・会社を選べばお得度が増すでしょう。
LED電球は、従来の蛍光灯や白熱電球などに比べて電力消費量が少ないところが特徴です。
もし、旧居で従来の蛍光灯や白熱電球の照明を使用していたのなら、引越しを機にLED電球に交換することも検討しましょう。
新しく照明を買い替えると初期費用はかさみますが、電気代をカットできればランニングコストが下がるので、長い目で見れば効果的な節約になります。
電化製品の省エネ技術は年々進化しているため、古い家電を使い続けるよりも、最新の家電に買い替えた方が電力消費量を抑えられる可能性があります。
また、古い家電は経年劣化によって性能が低下し、余計な電力を消費する原因になっていることもあります。
特に、エアコンや洗濯機、テレビ、冷蔵庫などの大型家電は引越しの際に荷物になりやすいので、古いものは旧居で廃棄し、引越し先で最新のものを調達することも検討してみましょう。
電化製品は定期的にお手入れしないと性能が低下し、不具合や故障を起こす原因となるほか、無駄な電力を消費する要因にもなります。
冷蔵庫やテレビは背面まで小まめに清掃する、エアコンフィルターを定期的にお手入れするなどのセルフメンテナンスをしっかり行えば、電化製品の性能や機能が衰えず、電気代が節約できるでしょう。
なお、エアコンの熱交換器や送風ファンなどの清掃には分解が必要なので、数年に一度は業者やメーカーへクリーニングを依頼することをおすすめします。
新築一軒家に引越した場合に考えるべき電気代対策についてご紹介しました。一般的な電気代を考慮しながら、節電に努めましょう。
TERASELでんきは、お客様のライフスタイルや家族構成などに合わせて、電気を使うほどお得になるプランや、電気使用量が少ない方向けのプランなど、多彩なプランをご用意しております。
また、月々の電気代に応じて楽天ポイントを付与するサービスも行っております。電気代の節約と合わせてご利用いただくのがおすすめです。
一軒家への引越しを機に、契約内容の見直しや電気会社の乗り換えを検討されている方は、TERASELでんきをチェックしてみてはいかがでしょうか。
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