投稿日:2024/10/02
更新日:2024/10/02
でんきの節約術
近年の日本の夏は、地球温暖化現象やエルニーニョ現象などの影響を受け、各地で猛暑日が記録されるのが当たり前になってきています。日や地域によっては夜になっても気温が下がらず、寝苦しい思いをすることもめずらしくありません。
そんな日はエアコンをつけっぱなしにして寝ることになりますが、朝から晩まで一日中エアコンをつけることに抵抗を覚える方も多いでしょう。
そこで本記事では、暑くて寝苦しい夜をエアコンなしで眠る方法をご紹介します。暑いと眠れない理由や、エアコンを使わずにいることで起こる体調不良、エアコンを上手に使う方法についても説明しているのでぜひ参考にしてください。
目次
暑いと普段より寝付きが悪くなる理由は、体温が低下しにくくなるからです。人は、活動する日中に体温を高く保ち、体と脳を休めるリラックス時や就寝時には体温を低くする仕組みになっています。
こうした体温調節は自律神経によってコントロールされていますが、夜間の気温が25度以上になる熱帯夜の場合、体温の放出がうまくいかず、体に熱がこもったままの状態になります。すると、なかなか体や脳を休める環境が整わず、寝付けない、眠りが浅いというトラブルが起こりやすくなると言われています。
実際、夏は寝付きや眠りの持続は他の季節よりも難しくなるとされており、冬と比較すると睡眠時間が約10~40分ほど短くなるというデータも報告されています。
暑くて寝苦しいけれど、一晩中エアコンをつけっぱなしにすると電気代が気になる……という方は、以下のような方法を試してみましょう。
まずは寝る前に寝室の窓を開け、空気の入れ替えを行いましょう。
特に就寝時しか寝室を使わない場合、熱気と湿気をはらんだ空気がこもっているはずなので、新鮮な空気と入れ替えるだけでも室内の快適さがぐんとアップします。対角線上にある二つの窓を開けると通気性が良くなり、効率良く換気できるでしょう。
なお、夏は虫が多いので、換気する際は網戸を使用するのがベストです。
打ち水とは、家の周辺に水をまいて涼を得る方法のことです。
日本で昔から行われている暑さ対策の一つで、地面にまいた水が蒸発する際に地面の熱を奪う気化熱の仕組みを応用しています。打ち水は日中に行うものというイメージがありますが、日が落ちた夕方~夜間の方が気温上昇の影響を受けにくいぶん、打ち水による涼感効果が長持ちすると言われています。
打ち水は庭またはベランダに行うのが一般的ですが、その際、事前にすのこを敷いておくのがおすすめ。すのこは水をたくさん吸収する性質を持っているため、急激な蒸発を防いで涼感効果をキープしてくれます。
また、寝る前に打ち水をするのならお風呂の残り湯を使うと余分な水道代が掛からず、エコになります。
接触冷感とは、人がものに触れたときに「冷たい」と感じることです。
熱は高温側から低温側へ伝わる性質(熱移動)がありますが、接触冷感の寝具はこの仕組みを応用し、熱伝導率の高い素材(麻や絹、レーヨンなど)を使うことで体温を下げる効果が期待できます。夏の間は接触冷感のシーツや掛け布団、枕カバーなどに交換すれば、体温を効率良く下げることができ、寝苦しさの緩和につながります。
接触冷感寝具は多数のメーカーから販売されていますが、寝具を選ぶときは以下3つのポイントをチェックしましょう。
1のQ-max値とは接触冷温感評価値のことで、人が素材に触れた瞬間に移動する熱の量を数値化したものです。Q-max値が高いほど、触れたときに吸収される熱の量が大きくなるため、ひんやり感が強くなると言われています。
一般的に、Q-max値が0.2以上のものが接触冷感素材と認識されていますが、実際は0.2くらいではひんやりとした冷感を感じにくいので、なるべく0.2よりも高いものを選ぶのがおすすめです。
ただ、Q-max値には表示義務がないため、製品によっては値が分からないものもあります。その場合は、使われている素材からおおよそのQ-max値を割り出しましょう。
接触冷感寝具に多用される主な素材の参考Q-max値は以下のとおりです。
2の通気性は、接触冷感寝具が吸収した熱をどのくらい効率良く放出できるかの基準となります。
いくらQ-max値が高くても、吸収した熱をうまく放出できないと、寝具自体に熱がこもってしまって寝苦しくなってしまいます。
そのため、接触冷感寝具を選ぶときは裏面がメッシュ素材になっているものなど、通気性の高いものをチョイスするとよいでしょう。
3の吸湿性は、就寝中にかいた汗をすばやく吸い取ってくれるかどうかの基準となります。
人は眠っている間、コップ一杯分の汗をかくといわれていますが、暑い夏場はさらに大量の寝汗をかくことがあります。汗をかくとべたつきの不快感で寝づらくなるおそれがあるので、吸湿速乾性の高さも製品選びのポイントに加えるとよいでしょう。
接触冷感の寝具とあわせて、接触冷感素材を使用したパジャマを着用するのも有効な暑さ対策の一つです。パジャマは就寝中、直に肌に触れる衣類なので、接触冷感のものを選べばより効果的に冷感を得ることができます。
選び方は寝具とほぼ同じですが、寝汗対策として、麻やレーヨンといった蒸れにくい素材のパジャマを選ぶのがおすすめです。袖や裾の丈については好みにもよりますが、汗をかきやすい人は長袖長ズボンタイプを。手足を出した方が眠りやすいという方は半袖半ズボンタイプをそれぞれ選ぶとよいでしょう。
寝る前に氷枕や保冷剤を準備し、体を冷やしながら眠るという方法もあります。保冷剤を使う場合は、首の付け根や脇の下、太ももの付け根など、太い血管が走っている部分に当てると、効率良く体温を下げることができます。
ただ、「暑いから」「ひんやり効果を長持ちさせたいから」といって、冷たすぎる氷枕や保冷剤を使用するのはNG。冷えすぎているものは体に対して過度な刺激となり、かえって眠りを妨げてしまう可能性があるので注意しましょう。
特に保冷剤に関しては、そのまま肌に当てると低温やけどの危険性があるので、タオルやカバーなどに包んで冷たさを調整することが大切です。
また、氷枕や保冷剤は時間が経つと結露が発生するものがあります。知らない間に寝具やパジャマがびしょぬれになったというトラブルを防ぐためにも、氷枕や保冷剤は専用のカバーなどを使用するのがおすすめです。
エアコンを使わずに眠りたいという方は、戸建て住宅に引っ越す際、家の断熱性に着目してみましょう。
断熱材は建物の壁や床、天井などに入れますが、断熱材の量が足りないと外気の影響を受けやすくなり、室内が高温になる原因となります。断熱材にもさまざまな種類があり、価格や断熱性能、防湿性能などに違いがあるので、マイホームを建てる際は使用する断熱材の性能の差にも留意することが大切です。
なお、中古住宅に引っ越す場合、リフォームで後から断熱材を充填するという方法もあります。
特に古い住宅は断熱材が不足している場合が多いので、戸建てに引っ越す際は断熱材がきちんと入っているかどうか確認し、必要に応じてリフォームも検討した方がよいでしょう。
なお、断熱材を入れると外気の影響を受けにくくなるぶん、日中のエアコンの冷暖房効率も良くなるので、家の快適性と省エネ性の向上にも役立ちます。
熱帯夜なのにエアコンを使わずに就寝すると、体調不良を起こすリスクが高くなります。
節電を意識することは大切ですが、体調不良で病院に掛かった場合、節約した電気代<治療費になってしまうおそれがあるので、あまりに寝苦しい夜はエアコンを使うのがおすすめです。
ここではエアコンを使わないことによって起こり得る体調不良について説明します。
熱中症は日が差している日中に起こるというイメージがありますが、夏場に関しては熱中症の約4割が夜間に発症していると言われています。日中とは異なり、就寝中は意識して水分を摂取することができず、脱水症状に陥りやすいためです。
特にエアコンをつけずに眠ると汗を大量にかきやすいので、寝ている間に熱中症を発症する人も多いようです。
熱中症になると、めまいや吐き気、急性の筋肉痛、こむら返りなどが起こる他、症状が進行すると頭痛や倦怠感などを覚えるようになります。さらに重度になると意識の喪失やけいれんなどが起こり、場合によっては命に関わる危険な状態に陥ることもあります。
睡眠には、傷ついた細胞を修復し、体の疲れを取ったり、病気の回復を促したりする役割があります。そのため、エアコンをつけなかったせいで寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりすると睡眠不足に陥り、疲労解消や病気回復が遅れる可能性があります。
睡眠不足が長く続くと慢性的に疲労を感じるようになり、仕事や日常生活にも支障を来す原因になりかねません。
人は睡眠中に、免疫機能を高めるサイトカインの分泌が活発になるといわれています。そのため、慢性的な睡眠不足に陥っていると、免疫機能が低下し、病気になるリスクが高まる可能性があります。
実際、ある研究によると、睡眠時間が5時間未満の人は、8時間睡眠の人に比べて風邪をこじらせて肺炎になるリスクが1.4倍大きいという結果が報告されています。
参考:第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局『寝不足を続けるとどんなリスク(影響)があるの?』
同じエアコンでも、使い方や環境によって冷房効果にかなりの差が出ます。「夜間にエアコンをつけたいけど、やっぱり電気代が気になる」という方は、エアコンの使い方に一工夫加えてみましょう。
ここでは寝苦しい夜にエアコンを上手に活用する方法を2つご紹介します。
冷たい空気は室内の下の方にたまりやすいため、足元は冷えているのに部屋の上の方は暑いという状態に陥りがちです。エアコンは天井近い位置に設置されているので、周辺の温度を感知して「まだ部屋が冷えていない」と勘違いしてしまい、強いパワーで稼働し続けてしまいます。
当然、余分な電気代も掛かってしまうので、扇風機やサーキュレーターで室内の空気循環を促し、温度むらをなくす工夫を採り入れてみましょう。
ポイントは、扇風機やサーキュレーターをエアコンの風下に対面で設置すること。こうすると、エアコンの送風と扇風機・サーキュレーターの送風がぶつかり合い、室内の空気に流れが生まれて温度むらを解消することができます。
人が快適に眠れる環境は、室温が28度以下、湿度が40~60%とされています。そのため、就寝時にエアコンを使う際は、設定を室温28度、湿度50~60%程度にしておきましょう。
暑くて寝苦しいと感じたら1度ずつ設定温度を下げてもかまいませんが、あまり冷やしすぎると余計な電気代が掛かってしまう上、体が冷える原因となるので要注意です。
また、エアコンの風向きはご自分の体に直接当たらないよう調節することも大切です。エアコンの風を直接当てると、体が冷え過ぎて体調不良を起こすリスクが高くなるので、あらかじめ布団やベッドの方へ送風しないよう設定し直しておきましょう。
なお、最近のエアコンのなかには人感センサーを基に、風避け設定できるものも販売されています。
参考:環境省『「ウォームビズ」ぽかぽかゼミナール PART2 エアコン暖房の省エネ・節約術』
「眠っている間のエアコンの電気代が気になる」という場合は、換気や打ち水、接触冷感アイテムの利用などの工夫を採り入れることで、エアコンなしで寝ることも可能です。ただ、日本の夏は年々酷暑となっており、熱帯夜にエアコンなしで寝ると熱中症のリスクが高くなったり、慢性疲労や免疫低下に陥ったりする原因となります。
あまりに暑さが厳しいときは、無理をせず就寝中にもきちんとエアコンを利用するようにしましょう。
その際、扇風機やサーキュレーターを使ったり、エアコンの設定を見直したりすれば、節電しながら部屋を快適に保ちやすくなります。
また、エアコンの電気代が気になるなら、あわせて電気そのものの契約も見直してみることをおすすめします。
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