秋の電気代の平均(地域別・世帯別)は?冬に備えてできることを解説

投稿日:2022/12/12

更新日:2024/10/22

でんきの節目

厳しい残暑が続いていると思ったら、突然寒くなる。
近年の秋はそんな感じで、空調なしで快適に過ごせる日が少なくなっているような気がします。

とはいえ、冬や夏に比べると快適なシーズン。
このタイミングで、来たるべき冬に備えて準備をしておきたいものです。

今回は電気のスペシャリストが、秋の電気代について解説。
地域別・世帯別の電気代の相場から秋の電気代の節約のコツまでを紹介しますので、電気代を抑えたい方はぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

野中 康平
野中 康平マーケティング室 室長
大学在学中、発展途上国でのボランティア活動がきっかけで
伊藤忠エネクスに入社。
入社後は一貫して電力ビジネスに携わり、電力ビジネス領域における大規模システム構築を実現。
電力のスペシャリストとして電力ビジネスの拡大に尽力している。

秋の電気代(10~12月)、平均は9,597円

2021年 2人以上世帯の平均
1月 11,875円
2月 12,854円
3月 13,197円
4月 10,696円
5月 9,644円
6月 8,488円
7月 8,091円
8月 9,774円
9月 10,393円
10月 9,835円
11月 9,103円
12月 9,854円

【出典】総務省 家計調査(2021年)

2021年の秋の電気代(10~12月)の平均は、9,597円/月でした。

エアコンをよく使う夏(7~9月)の平均が9,419円なので、少し意外かもしれません。しかし月別で見ると9月よりも10月、10月よりも11月と下がっていっており、涼しくなるにつれて電気料金も下がることが見て取れます。
本格的に寒くなり始める12月には再度高くなるので、やはり秋は電気代が少し安くなると言えます。

なお、この数字は2人以上世帯の平均。2人暮らしから6人以上の世帯までを含んだ平均値ですので、世帯人数によってはこの平均とはかなり乖離があると思います。

世帯別、地域別も見てみましょう。

秋の電気代(世帯別平均)

世帯人数 2019年 2020年 2021年
1人 5,184円 5,135円 5,200円
2人 8,540円 8,385円 8,470円
3人 9,763円 9,771円 9,837円
4人 10,557円 10,247円 10,785円
5人 10,964円 11,024円 11,747円
6人以上 15,664円 15,664円 14,069円

【出典】総務省 家計調査(2019年~2021年の10~12月)

前段落では「2人以上世帯の平均」として9,597円と紹介しましたが、こちらは細かく世帯人数別で出した平均です。1人暮らしは5,000円程度ですが、4人以上の世帯では秋でも1万円を超えています。

1人と2人では3,000円ほど差がありますが、それ以上は1,000円ずつくらいとゆるやかです。とはいえ、1人暮らしと5人暮らしを比較すると倍ほど違うので、家族の人数が増えると確実に電気代は上がっていくことがわかります。
なお、「6人以上」の世帯には7~10人以上の世帯も含まれるため、平均値は大幅に高くなります。

秋の電気代(地域別平均)

地域 2019年 2020年 2021年
北海道 10,742円 9,222円 10,587円
東北 10,705円 9,704円 10,226円
関東 9,027円 9,039円 8,917円
北陸 12,484円 11,926円 11,593円
東海 9,778円 9,308円 9,735円
近畿 9,161円 9,483円 9,515円
中国 9,780円 9,827円 10,313円
四国 10,438円 11,233円 9,878円
九州 9,090円 8,920円 9,720円
沖縄 10,701円 9,782円 11,913円

【出典】総務省 家計調査(2019年~2020年の10~12月)

地域別で見ると、北陸が最も高く、関東・近畿・九州が9,000円前後と安め。その他の地域は1万円前後で大きな差がありません。

夏は沖縄が12,000円前後と高く、冬は北海道・東北・北陸など寒い地域が高いのですが、秋の電気代からは気候による地域差はほとんど伺えません。そのことで逆に、地域によって電気代の相場に差があることがよくわかる結果になっているとも言えます。

なお、データでわかるように、同じ地域でも年によって、1,000円ほどの差が生じていることもあります。これは、その年の気温や燃料の輸入価格によって変動する部分。平年より暑い夏や平年より寒い冬は、その影響を受けて電力消費量が増え、電気代が高くなります。


秋の電気代まとめ


秋こそ、節電の基本を見直そう

夏は「冷房が高いからしょうがない」、冬は「暖房が高いからしょうがない」という言い訳ができますが、秋はそうはいきません。
冷暖房の影響を受けない時期こそ、基本を見直して毎月の平均を下げる努力をしましょう。

契約プラン、アンペアを見直す

家族構成の変化やコロナ禍での生活スタイルの変化で、「電気をよく使う曜日や時間帯」が変わっていませんか?
1人暮らしや2人暮らしでは「平日昼間の電気代が高い代わりに、夜間休日の電気代が安い」といったプランが選ばれがちですが、もしそのままのプランで家族が増えたり、フルリモートになっていると電気代は割高になります。
定期的に契約プランは見直すようにしましょう。

また、関西・中国・四国・沖縄以外の地域では、契約アンペア(A)が選べます。
以下が目安ですので、「賃貸マンションに引っ越して、前の人が使っていたアンペアで生活している」という方は、現在のアンペアを確認してみることをおすすめします。

  • 1~2人暮らし:30A(基本料金858円)
  • 2~4人暮らし:40A(基本料金1,144円)
  • 4~5人暮らし:50A(基本料金1,430円)

基本料金は東京電力の従量電灯Bプランの場合

待機電力を減らす

使わない家電の主電源を切って(プラグを抜いて)待機電力を減らすことは、節電の基本です。でも、どこまで効果があるのかを実感できず、おそろかにしている人が多いのではないでしょうか。
しかし、待機電力は家庭の電力使用量の約5.1%(※)。これは見逃せない数字です。

家庭の待機電力を割合で示すと、

  • ガス給湯器(19%)
  • テレビ(10%)
  • エアコン(8%)
  • 電話(8%)
  • Blu-ray、HDD、DVDレコーダー(6%)
  • 温水洗浄便座(5%)
  • パソコン(4%)
  • ネットワーク機器(3%)

となり、ガス給湯器が占める割合が多いです。
しかし、テレビやレコーダーなどの情報機器、パソコンや電話などの情報通信機器を合計すると、30%を超えます。

電話など致し方ないものもありますが、切れるものは切る習慣を付けましょう。寒くなるまでは、温水洗浄便座の温め機能や温水はオフにしておいてもいいでしょう。

プラグを抜くときの注意点

主電源を切るよりもプラグを抜くほうが節電効果は高いですが、頻繁な抜き差しが想定されていない電化製品の場合、プラグが劣化して故障につながることがあります。
また、エアコンは長時間コンセントを抜いていた後ですぐに使うとコンプレッサーが故障しますので、コンセントを指してから8時間以上は待つようにしてください。

【出典】平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要(資源エネルギー庁)
https://pps-oita.jp/wp/wp-content/uploads/2021/08/taikiji_2012.pdf

冷蔵庫の使い方を見直す

24時間稼働している冷蔵庫。
冷蔵庫の使い方を見直すのも、実は節電の基本なのです。
具体的には、次のようなポイントがあります。

  • ドアの開け閉めの回数を減らす
  • ドアを開けっ放しにしない
  • こまめに冷凍庫の霜取りをする
  • 冷凍庫はできるだけぎゅうぎゅうに詰める
  • 冷蔵庫は詰め込みすぎない

いきなり使い方を変えるのは難しいので、できれば冷凍庫・冷蔵庫の中を大掃除して整理してみましょう。
古くなった調味料を処分し、棚や引き出しを丸洗いすると庫内も気持ちもすっきりします。

しかし、夏だと食材が溶けたり傷んだりしますし、庫内温度がすぐに上がるので消費電力が増えます。かといって、冬は寒くてつらいです。
冷凍庫・冷蔵庫の大掃除をするなら、秋が深まってくる頃と春先がチャンスです。

暖房器具のチェックと買い替えは秋のうちに!

いざ寒くなってから、「暖房器具が壊れていた!」となると、非常に困ります。そのような家庭が多いので、暖房を使うシーズンに入ってからの修理や入荷には時間もかかります。
特にコロナ禍では家電も修理部品も品薄になっていますので、本格的に寒くなる前に暖房器具のチェックをしておきましょう。

この時期は品揃えも豊富で、去年の型落ちも今年の新製品も揃っています。
調理家電や美容家電はバーゲンや年末年始のセールを狙ってもいいかもしれませんが、暖房器具の準備は秋のうちに終えておくと安心。買い替えない場合でも、エアコンやファンヒーターの掃除を済ませておくと、いつ冷え込んでも安心です。

節約効果の大きい、新電力への乗り換え

秋はじっくりと節電を考えるのに最適な時期。ご紹介したような節約の基本を実践するのも大事ですが、大幅な節約を目指すなら電力会社を乗り換えるのもおすすめです。
すでに新電力を使っている場合でも、キャンペーン等で契約特典が大きくなっているタイミングや電気料金に応じたポイント付与がある会社を狙うと節約効果は高いです。

しかし、電気代を値上げをする会社が増えているので、

  • 値上げ時に再度の乗り換えがしやすいよう、解除料のかからない会社を選ぶ
  • 値上げが発表されていないか確認する

といった点に注意しておきましょう。

TERASELでんきは安さだけでなく、解除料がなく楽天ポイントが貯まることでも好評をいただいています。
大手エネルギー商社である伊藤忠エネクスのグループ会社で電力供給も安定していますので、乗り換えをご検討の際はシミュレーションをご利用ください。集合住宅で大家さんが一括徴収しているようなケースを除き、誰でも自由に電力会社を乗り換えられます。

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