投稿日:2022/01/18
更新日:2024/11/11
でんきの節目
電気、水道、そしてガスは、日々の生活には欠かせないインフラですが、使った分だけ水道光熱費がかかります。どうしたら安く抑えられるのでしょうか?
本記事では、水道光熱費の世帯規模ごとの平均額をご紹介するとともに、水道光熱費が高くなる原因と、節約に役立つさまざまな工夫ポイントも解説します。
目次
水道光熱費とは、日常生活を支えるライフラインである水道やガス、電気などの利用に支払うコストを指します。
例えばオール電化住宅の場合、給湯器はエコキュート、台所のコンロはIHと、インフラのほぼすべてが電気で稼働します。この場合、水道高熱費に含まれるのは電気と水道の2項目です。
また、台所のコンロや給湯器は都市ガス、その生活インフラは電気で稼働している世帯の場合は、水道高熱費に含まれるのは都市ガス、電気、水道の3項目です。
このように、水道光熱費の内訳と平均金額は、各家庭で異なります。
月々の水道光熱費は、基本料金と従量料金の組み合わせで決まります。基本料金とはサービスの利用がなくても発生する固定費のことで、対する従量料金は実際に使用した量に応じて加算される変動費です。
各料金にはそれぞれ独自の計算方法や料金体系が存在し、季節や使用量、さらには契約内容によって変動します。例えば、夏季や冬季の使用量が増える時期には、電気料金やガス料金が高くなることが一般的です。水道光熱費の構造を理解することで、効率的な節約が可能になるでしょう。
ここでは、電気料金・ガス料金・水道料金の3つを詳しく解説します。
電気料金は、基本料金と電力量料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金で構成されています。
基本料金は契約している契約アンペア・契約容量によって決まり、それぞれ数が大きいほど基本料金は高くなります。例えば、20Aで契約している家庭の基本料金は、40Aで契約している家庭よりも安価です。
電力量料金は、使用した電力量に応じて段階的に上がるスライド式が採用されており、使用量が多いほど1kWh当たりの単価が高くなる仕組みです。例えば、120kWhを超えると一段階上の料金になるなど、段階別に設定されています。
また電気料金には、電力量料金の内訳の一つとして燃料費調整額も含まれています。燃料費調整額は、原油や石炭、LNG(液化天然ガス)の価格を基に算出された燃料費調整単価に使用電力量を乗じたものです。上述の燃料価格や為替レートに基づいて毎月調整されるため、電気料金が変動する要因となります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーの普及を目的とした費用で、こちらも電気料金に上乗せされます。
電気料金を抑えるには、契約アンペア数の見直しや使用量の削減が効果的です。例えば家庭の消費電力に見合ったアンペア数に契約を変更することで、基本料金を削減できます。また電力使用のピーク時間を避けるなど、日常の電力消費を工夫するのも良いです。
参考:東京電力エナジーパートナー株式会社.「関東エリア プレミアム」.
https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/premium/kanto/index-j.html ,(2024-09-11).
ガス料金は、基本料金と従量料金、原料費調整額で構成されています。
基本料金は、使用量に関係なく毎月一定額が請求され、ガスの供給を維持するためのコストとして最低限支払わなければならない料金です。
一方、従量料金は、使用量に応じて変動します。都市ガスとプロパンガスで異なる料金体系が採用されており、一般的に都市ガスのほうがプロパンガスよりも安価ですが、地域やガス会社によって料金は異なります。
原料費調整額は、供給されるガスの原料となるLPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)の価格を基に決められる料金です。この調整額は、貿易統計における液化天然ガス価格などから算出される平均原料価格に基づいて毎月変動します。
具体的には、上記の原料価格に基づいて算定された原料費調整単価にガス使用量を乗じた金額が、ガス料金に加算あるいは差し引きされる仕組みです。
そのため、ガス料金も為替レートや上記の原料価格の影響を受けて、毎月の料金が変動することがあります。
なお、ガス料金の節約には、都市ガスを選ぶことやガス使用量の管理が重要です。例えば、シャワーの使用時間を短くする、ガスコンロの使用時に適切な火力を心掛けるなど、日常のガス使用を見直すことでコスト削減が可能です。
参考:東京ガス.「原料費調整制度とは?」.
https://home.tokyo-gas.co.jp/gas_power/plan/gas/adjustment.html ,(2024-09-11).
水道料金は、上水道料金と下水道料金の合計で構成されます。上水道料金は、基本料金と使用した水量に応じた従量料金で決まります。基本料金は水道メーターの口径に基づいて決まり、口径が大きいほど料金が高くなります。従量料金は使用量に応じて段階的に設定され、使用量が増えると料金も増加します。
下水道料金も同様に、使用した水量に応じて請求されますが、地域によって料金体系が異なります。なお下水道が整備されていない地域では、上水道料金のみが適用されることもあります。
水道料金を節約するには、日常の節水習慣が効果的です。例えばシャワーを出しっぱなしにしない、トイレの水を節水型に変更する、洗濯をまとめて行うなどの工夫が挙げられます。
参考:東京都水道局.「手続き・料金」.
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/tetsuduki/ryokin/keisan_23.html ,(2024-09-11).
1人暮らし(単身世帯)の場合、1カ月当たりの光熱費の平均額は以下の通りです(※)。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003000797 ,(2024-09-04)
1人世帯のみならず全体で共通の傾向として、電気料金が光熱費全体の約半分を占めています。
特筆すべきは、「1人当たり」で比較した場合の、1人世帯の突出した燃費の悪さです。
例えば電気料金で見ると、2人世帯での1人当たり平均は5,470円、3人世帯なら4,270円、4人世帯では3,383円、5人世帯では2,874円。世帯人数が増えるほどコストが減少するのに対し、1人世帯は、例えば5人世帯と比較すると2倍以上の金額になります。
ガス料金では、この傾向はより顕著です。2人世帯の1人当たり平均は2,485円、3人世帯は1,864円、4人世帯は1,321円、5人世帯は1,026円。5人世帯と比較すると3倍以上の金額に膨らみます。
従って、1人世帯での省エネ対策は急務といえます。
2人世帯の場合、1カ月当たりの光熱費の平均額は以下の通りです(※)。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-09-04).
人数が倍な分、単身世帯に比べて、水道光熱費および電気料金、他の光熱費、上下水道料は、倍近くの金額に増えています。唯一、ガス料金は単身世帯と比べて約4割増しと、他の項目よりも低い増加率です。
額面の大きい順にガス料金、上下水道料、他の光熱費と続きますが、これは単身世帯と2世帯、3世帯に見られる傾向です。
3人世帯の場合、1カ月当たりの光熱費の平均額は以下の通りです(※)。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-09-04).
水道光熱費、電気料金、ガス料金、および上下水道料は、2人世帯と比べてやや増加傾向ですが、さほど大きな差はありません。一方、他の光熱費は2人世帯よりも少ない傾向を示しています。
4人世帯の場合、1カ月当たりの光熱費の平均額は以下の通りです(※)。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-09-04).
3人世帯との比較では、電気料金はより高い金額を示していますが、増加率で見ると1割にも満たない数字です。水道料金もやや増えていますが、やはり2割にも満たない増加率です。
一方、他の光熱費は、より人数が多い5人世帯よりも少ない金額に収まっています。1人当たりの平均で見ても、4人世帯が最も少ない金額です。
額面の大きい順に上下水道料、ガス料金、他の光熱費と続くのは、5人世帯と同様の傾向です。
5人世帯の場合、1カ月当たりの光熱費の平均額は以下の通りです(※)。
参考:総務省.「家計調査(家計収支編)」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2024-09-04).
4人世帯と比べると、電気料金、および上下水道料は4人世帯よりもやや高い傾向ですが、増加率は1割にも届きません。他の光熱費はわずかに増加しています。特筆すべきは、ガス料金が3人世帯や4人世帯よりも安く収まっている点です。
他、額面の大きい順に水道料、ガス料金、他の光熱費と続くのは、4人世帯にも共通してみられる傾向です。
どの世帯よりも1人当たりの水道光熱費が安い5人世帯は、最もエコで省エネな暮らしを実現できる世帯規模です。
オール電化住宅では、給湯器や調理器具、照明その他の電化製品を含め、生活インフラの稼働でガスを使用せず、すべてを電気で賄います。そのため、電気とガスの両方を使用しているご家庭と比べると必然的に電気料金が膨らみ、水道光熱費大半を占めます。
関西電力(※)によると、オール電化の光熱費は、世帯人数別・住居形態別では以下の通りです。
参考:関西電力.「オール電化の電気料金平均額と節約方法」
https://kepco.jp/denka/alldenka_average/ ,(2024-08-26).
上記を見ると、単身者世帯に比べて4人世帯では、光熱費は2倍にもならず1.5倍程度で収まります。2人世帯と3人世帯、3人世帯と4人世帯の間ではさほど大きな違いはありません。
省エネの観点から見ると、いかに単身者世帯がエネルギー効率の悪い住み方であるかが分かります。逆に、オール電化住宅は、世帯人数が多いご家庭ほど省エネ効率が高まります。さらに、戸建てと集合住宅では、集合住宅のほうが、省エネ効果が高いことが分かります。
水道光熱費が高くなる原因や見落としがちなポイントを、いくつか見てみます。
世帯別の水道光熱費でも浮き彫りになった特徴として、単身世帯のほうが、水道光熱費が高い傾向があります。
集合住宅の場合、一般的にワンフロアーですべての部屋が隣り合っているため、効率的に冷暖房を稼働できます。対して、二階建ての物件が多い戸建ての場合、個々の部屋で空調を使用すると、水道光熱費が上がります。
家族が多いと、入浴や洗濯などで生活用水の使用量が増え、水道費がかさみます。
夜間帯に比べて日中は電気料金が高いため、昼間自宅で過ごす時間が多いと電気料金が上がります。特にここしばらくはコロナ禍でテレワークやリモート学習のため家で過ごす人が増え、ますますこの傾向が強まっています。
電気料金には地域差があります。北陸や北海道など、電気料金が高い地域に住んでいれば、そのぶん電気料金がかさみます。
冬場は冷え込む地域に住んでいるご家庭では、冬季の暖房コストがかさみます。また、居住地域にかかわりなく、冬場は暖房の使用により光熱費が上がる傾向です。
水道・ガス・電気いずれも、日常生活に欠かせないエネルギーです。しかし、水道光熱費がかさむと家計にも影響を及ぼします。下手をすると、食費や医療費、教育費や教養娯楽費など、他の大事な項目に金額を割けなくなる懸念があります。
家計が逼迫して生活の質が低下すると、精神的にもマイナスの影響を及ぼしかねません。ですから、水道光熱費は可能な限り低めに抑えるのが良いでしょう。
水道光熱費はさまざまな工夫で節約が可能です。水道光熱費を節約する方法を項目別でご紹介します。
節水対策では、大別して2点のポイントで水道料金を節約できます。
1つは、水の使い方そのものを工夫すること。2つ目は、節水効果が高い新製品への乗り換えです。
まず、水の使い方の工夫ですが、例えばトイレ。「大」「小」のレバーを使い分けて水量を調整できます。台所で食器や野菜などの物を洗う場合は、水を流し続けるよりも洗い桶を活用したほうが節水できます。朝の洗顔は洗面器、歯磨きはコップを使用して、水の出しっぱなしを防げば、1分間で12リットルの無駄を防ぐことができます。洗濯も、お風呂の残り湯を使えば、生活排水を抑えてよりエコです。
もちろん、こうした水の使い方には個人差があるので、それぞれの生活習慣に合わせて見直しましょう。
次に、節水効果が高い新製品への乗り換えについてですが、例えば節水型のトイレへの切り替えは、節水効果が高い対策です。食器洗いも、手洗いより食洗機を使用したほうが、より水を節約できます。
新製品への乗り換えには高額な導入費がかかります。導入時点で多大な出費ですが、今後数年、あるいは十数年といった長期にわたる節水効果を考えれば、投資の価値はあるといえます。
テレビなどの電化製品は、使用していない時間帯は電源をOFFにする、コンセントから電源プラグを抜くなどの工夫で、待機電力をカットできます。
冬場は、日中も窓のカーテンを閉める、断熱効果のあるカーテンを使用して外の冷気をシャットアウトするなどで、暖房費を節約できます。
エアコンはこまめにフィルターを掃除すると稼働効率が上がり、節電につながります。
冷蔵庫は物を詰めすぎず、開閉の回数を減らすことで中の冷気を保てます。また、より節電効果が高い新型に入れ替えるのも、有効な節電手段です。
照明は、旧型の白熱電球よりも寿命が長く消費電力が少ないLED電球に切り替える方が、長期的な意味で節電効果が期待できます。
現在契約している電気料金プランを見直し、より節電効果が高いプランに切り替えるのも1つの方法です。
台所では、ガスの代わりに電子レンジの使用頻度を増やす、お湯を沸かす際は「電気ケトルを使用する」「熱伝導率の高い調理器具を使う」などの工夫で、ガス料金をより低く抑えられます。
ガス給湯器の場合、お湯の沸き上がり温度を低めに設定する、浴槽に蓋をする、保温シートを使う、お風呂の追い焚き回数を減らす、家族全員がより短い時間に集中して入浴するなどの工夫で、ガス料金を節約できます。
今契約中の料金プランを見直してみるのも1つの手です。例えば、電気とのセットプランでガス料金がより安くなる可能性もあります。プロパンガスからより安価な都市ガスに切り替えたり、よりお得なプランを提供してくれるガス会社に乗り換えたりするのも、ガス料金節約の面で大きな効果があります。
電気料金は、「新電力」に切り替えると安く抑えられます。
電力小売自由化以前、消費者は地域の決まった電力会社とのみ契約して電気を購入していましたが、電力小売自由化により、自分の好きな事業者を自由に選べるようになりました。この電力小売自由化後に電力事業に新規参入してきた事業者は、新電力と呼ばれます。
新電力は、2016年の電力完全自由化以降、一気に増加しました。これらの業者は、時間帯別料金や、再生可能エネルギーが利用できるプラン、他サービスとのセットプランなど、消費者のライフスタイルに合わせた料金メニューを提供し始めました。消費者は、多種多様な料金メニューの中から、自分のライフスタイルにマッチしたサービスを選べます。
選択肢は豊富にあるため、何が自分にベストマッチの新電力なのか、時間をかけて調べてみるとよいでしょう。
今回の記事では、異なる切り口から水道光熱費の平均金額を見てきました。加えて、水道、電気、ガスの項目別に節約のポイントも確認しました。
これらの省エネ対策はもちろん有効なものの、一人ひとりができる努力には限界があります。その場合、電気料金プランが現在のライフスタイルに合っているかどうかを見直することで、新たな節約の糸口が見つかります。
例えば同じ5人世帯でも、3人のお子さんが小さかった10年前と今とでは、それぞれがスマートフォンを所有し、長時間テレビゲームで遊ぶなどの変化により、電気量は確実に膨らんでいるはずです。
従来の電気料金プランでは明らかに損をしていると分かったら、新電力への切り替えを検討しましょう。新電力の1つ、「TERASELでんき」には、電気を使う方ほどお得になるメリットがあります。年を経るにつれ消費電力が膨らみがちな複数人世帯には、理想の選択肢ですね。
TERASELでんきへの切り替えは、今よりもっと電気料金がお安くなるチャンス! まずは以下のリンクで、お住まいの地域が供給エリアにあるかどうかをご確認ください。
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