投稿日:2025/02/28
更新日:2025/02/28
ガスの情報館
昨今は世界情勢が大きく変化している影響により、ガス代が値上がり傾向にあります。物価上昇も相まって、光熱費を少しでも節約したいとお考えの方は多いでしょう。
2人暮らしに限りませんが、ガス代は季節や地域、使用しているガスの種類などによって変動します。本記事では、2人暮らしのガス代の平均金額を、年度・季節・地域ごとにご紹介します。
ガス代を節約する8つの方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
※本記事の内容は2025年2月時点の情報です
目次
総務省統計局の調査によると、2024年度の2人暮らしのガス代平均金額は4,761円でした。以下は、過去6年間の2人暮らしのガス代平均金額です。
【年度ごと】2人暮らしの月ごとのガス代平均金額
年度 | ガス代平均金額(/月) |
2019年度 | 4,488円 |
2020年度 | 4,354円 |
2021年度 | 4,330円 |
2022年度 | 4,900円 |
2023年度 | 4,971円 |
2024年度 | 4,761円 |
2019年度から2021年度までのガス代は4,300~4,400円台だったのに対して、2022年に急に4,900円まで値上がりしたことが分かります。
2022年度は新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきた頃で、電気やガスの需要に供給が追い付いていない最中でした。またロシアのウクライナ侵攻や円安などの影響により、国外から輸入している液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)の価格が高騰し、原料費調達額が値上がりしたことがガス代高騰の大きな要因です。
政府はこの状況を受けて、2023年より断続的に電気代・ガス代の負担を軽減する支援事業を行っています。2025年1~3月にも「電気・ガス料金負担軽減支援事業」を実施していますが、終了後はまたガス代が値上がりする可能性があります。
※参考:総務省.「家計調査 家計収支編 2人以上の世帯」.(用途分類 ガス代【円】).https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070009 ,(2025-02-07).
季節によってもガス代の平均金額は変化します。以下は、過去4年分の季節ごと(年月期ごと)のガス代平均金額をまとめたものです。なお2人以上の世帯のデータのため、2人暮らしのガス代よりもやや高くなっている可能性があります。
【季節(年月期)ごと】2人以上の世帯のガス代平均金額
年 | 月 | ガス代平均金額(/月) | 世帯人員 |
2021年 | 1~3月期 | 6,049円 | 2.94人 |
4~6月期 | 5,083円 | 2.93人 | |
7~9月期 | 3,448円 | 2.93人 | |
10~12月期 | 4,013円 | 2.93人 | |
2022年 | 1~3月期 | 6,875円 | 2.92人 |
4~6月期 | 5,828円 | 2.91人 | |
7~9月期 | 3,704円 | 2.91人 | |
10~12月期 | 4,522円 | 2.90人 | |
2023年 | 1~3月期 | 8,051円 | 2.90人 |
4~6月期 | 5,766円 | 2.90人 | |
7~9月期 | 3,352円 | 2.89人 | |
10~12月期 | 3,667円 | 2.89人 | |
2024年 | 1~3月期 | 6,339円 | 2.89人 |
4~6月期 | 5,426円 | 2.88人 | |
7~9月期 | 3,446円 | 2.88人 | |
10~12月期 | 3,768円 | 2.88人 |
上記データから、寒さが厳しくなる1~3月期はガス代が高くなっているのが分かります。2021年と2022年は6,000円台だったのに対して、2023年は8,000円台とかなり大きな値上がりとなっています。
一方、夏場の7~9月期は一年の中で最もガス代が安い傾向にあり、2021年~2024年まで4年連続で3,000円台です。
※参考:総務省.「家計調査 家計収支編 2人以上の世帯」.https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070002 ,(2025-02-07).
暮らしている地域によっても、ガス代の平均金額は異なります。過去4年間の地域ごとのガス代の平均金額は、以下の通りです。なおこちらも2人以上の世帯のデータのため、2人暮らしのガス代よりもやや高くなっている可能性があります。
【東日本】2人以上の世帯のガス代平均金額 ※()内は世帯人員
北海道 | 東北 | 関東 | 北陸 | 東海 | |
2021年度 | 3,945円 (2.75人) |
4,261円 (3.05人) |
5,032円 (2.90人) |
3,994円 (3.10人) |
4,970円 (3.00人) |
2022年度 | 4,810円 (2.72人) |
4,619円 (3.03人) |
5,918円 (2.88人) |
4,373円 (3.06人) |
5,607円 (3.00人) |
2023年度 | 5,042円 (2.69人) |
4,078円 (2.99人) |
5,728円 (2.88人) |
4,060円 (3.03人) |
5,643円 (2.98人) |
2024年度 | 5,013円 (2.70人) |
3,849円 (2.96人) |
5,201円 (2.88人) |
4,114円 (2.98人) |
5,004円 (2.95人) |
【西日本】2人以上の世帯のガス代平均金額
近畿 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 | |
2021年度 | 4,899円 (2.92人) |
4,201円 (2.92人) |
3,739円 (2.85人) |
3,815円 (2.94人) |
4,209円 (3.11人) |
2022年度 | 5,399円 (2.89人) |
4,133円 (2.91人) |
3,751円 (2.85人) |
4,091円 (2.89人) |
4,296円 (3.05人) |
2023年度 | 5,883円 (2.86人) |
3,990円 (2.89人) |
3,497円 (2.83人) |
4,249円 (2.89人) |
4,223円 (3.04人) |
2024年度 | 5,114円 (2.85人) |
3,741円 (2.89人) |
3,666円 (2.81人) |
3,752円 (2.88人) |
4,507円 (3.02人) |
関東や東海、近畿などの人口が集中している地域では、ガス代の平均金額は高く推移しています。反対に、人口の少ない中国や四国の地域では平均金額も低い傾向があります。
地域の気候がガス代に反映されているかというと、必ずしもそうではありません。北海道や東北などの寒い地域のガス代の平均金額は、他の地域とそこまで差がないことが分かります。ただし、寒い地域ではガスの他に電気や灯油も併用していることが多く、ガス代に加えてそれらの料金がかかっている可能性が考えられます。
※参考:総務省.「家計調査 家計収支編 2人以上の世帯」.(都市階級・地方・都道府県庁所在市別/2人以上の世帯・勤労者世帯・無職世帯/DB).https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070003 ,(2025-02-07).
ガス代は、基本料金と従量料金を合わせた金額です。基本料金は毎月かかる定額料金で、ガスの供給設備の償却費や点検調査費、手数料などが含まれます。従量料金はガスの使用に対してかかる料金で、使用量によって毎月異なります。
ガス代の計算式は、以下の通りです。
基本料金 + 従量料金(単位料金(基準単位料金(円/㎥) ± 原料費調整単価(円/㎥)) × 当月のガス使用量)
単位料金とはガスの単価を指し、ここから原料費調整単価を足したり引いたりして算出します。原料費調整単価は、ガス代の透明性を高めるための料金です。ガスの原料である液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)の原料費は、原油価格や為替レートによって変動します。この変動額をガス代に反映させることで、料金の公平性が保たれるのです。
ガス代は、使用しているガスの種類が都市ガスかプロパンガスかによっても変わります。両者の違いは、主に以下の通りです。
都市ガス | プロパンガス | |
原料 | 液化天然ガス(LNG) | 液化石油ガス(LPG) |
重さ | 軽い | 重い |
熱量 | 小さい | 大きい |
供給方法 | 地下のガス管 | ガスボンベ |
エリア | 都市部 | 全国のほとんどの地域 |
ガス代 | プロパンガスに比べると安い | 都市ガスに比べると高い |
災害時の復旧にかかる時間 | プロパンガスに比べると時間がかかる傾向にある | 都市ガスに比べると時間がかからない傾向にある |
都市ガスは液化天然ガスを原料としており、軽くて熱量が小さいのが特徴です。地下に張り巡らされたガス管を通じて供給されるため、主に住宅が密集している都市部で使用されています。ガスボンベの配送料がかからないことに加え、価格競争が激しいことから、料金はプロパンガスに比べて安い傾向にあります。
プロパンガスは液化石油ガスを原料としており、重くて熱量が大きいのが特徴です。ガスボンベによってガスが供給されるため、設置場所があれば全国のほとんどの地域で利用できます。ガスボンベを定期的に配送してもらう必要があることや、価格競争があまり行われていないことから、ガス代は都市ガスに比べて高い傾向にあります。
その他にも、都市ガスは災害時の復旧に時間がかかり、プロパンガスは比較的早く復旧するといった違いがあります。都市ガスはガス管に問題が起こると、地下に長く伸びているガス管を修理するために時間がかかりがちです。一方、プロパンガスはガスボンベから自宅まで伸びている配管が短いため、修理がすぐに済みます。
ガス代をなるべく安くしたいなら、都市ガスがおすすめです。一方で、プロパンガスには災害時の復旧が早いという特長があり、それぞれメリットやデメリットが異なります。住んでいる地域やご自身のニーズに適している方を選びましょう。
ここからは、2人暮らしのガス代を節約する8つの方法をご紹介します。日常生活の中でできる工夫から根本的な見直し方法まで解説するので、参考にしてみてください。
お湯の使用量や使用頻度を見直すと、ガス代の節約につながります。例えばシャワーを15~20分以上出しっ放しにして使った場合、浴槽にお湯を一杯ためたときと同じ量を使うことになります。体を温めるために長くシャワーを使っているのであれば、浴槽にお湯をためて漬かった方が節約になるかもしれません。
また節水シャワーヘッドや、止水ボタン付きシャワーヘッドに替えるのも節約効果があります。
他にも、手を洗うときはお湯ではなく水を使うといった工夫も大切です。最近の蛇口は、一つのハンドルを左右にひねることでお湯と水を使い分けられる仕様のものが多いです。給湯器の電源が入っていても、水の方で出せばガス代はかかりません。
しかし、ハンドルの真ん中辺りで水を出すと給湯器が作動することがあります。入浴するとき以外は給湯器の電源を切るか、ハンドルを水の方にしっかりひねっておくことで、ガス代を節約できます。
お風呂の追いだき機能は使わない方が節約になります。冷めきった水を温めるためには、かなりのエネルギーを必要とするので1回につき数十~百数十円ほどかかります。ぬるめのお湯を温める場合はそこまでガス代がかかりませんが、使わないに越したことはありません。お風呂は間を空けずに入り、追いだきを使わない生活に切り替えると節約になるでしょう。
賃貸の場合は、入居前に給湯器の寿命を確認するのがおすすめです。給湯器の寿命は約10年といわれており、新しいものほど省エネ性に優れています。設置から10年近く経過している給湯器の場合は、その物件を避けるか、近々取り替える予定があるかを確認するとよいでしょう。
持ち家でも、古いガスの給湯器を使っている場合は最新のものに交換すると、ガス代の節約につながります。給湯器の購入や工事に費用がかかるものの、毎月のガス代を抑えられる可能性があります。
ガスコンロを使う時間を短くするのも、ガス代の節約になります。例えば煮込み料理で使う野菜のうち、火の通りにくいジャガイモやカボチャなどは電子レンジであらかじめ加熱しておくと、ガスの使用時間を短くできます。
資源エネルギー庁によると、野菜の下処理に電子レンジを使えばガスのみで加熱するよりも、年間で数百円の節約になることが分かっています。
※参考:資源エネルギー庁.「省エネポータルサイト 無理のない省エネ節約 電子レンジ」.https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html#7 ,(2025-02-04).
寒い時期にガスファンヒーターを使っている場合は、エアコンやサーキュレーターと組み合わせて使用時間を短くしましょう。例えば起床時や帰宅時など、すぐに部屋を暖めたいときはエアコンと組み合わせて使い、暖まったらエアコンのみにするといった使い方をすれば、ガス代を抑えられます。
ガスファンヒーターの運転時間を1日1時間短くすると、年間で約2,050円の節約になり、電気代も約120円抑えられるというデータが資源エネルギー庁から出ています。
※資源エネルギー庁.「省エネポータルサイト ガス・石油ファンヒーター」.https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html ,(2025-02-06).
料金の支払い方法によっては手数料がかかる場合があり、ガス代と併せて請求されます。支払い方法を見直すことで、ガス代の総額をいくらか節約できるかもしれません。昨今はペーパーレス化が進んでおり、口座振替やクレジットカード払いが増えています。紙の振込用紙は有料になるケースがほとんどなので、もし支払い方法を変えていない場合は見直しましょう。
例えば東京ガスの場合は、紙の振込書の発行手数料として月に220円かかります。支払い方法を変えれば、年間で2,640円も節約できます。
現在契約しているガス会社の料金プランを見直すと、ガス代を安くできる可能性があります。ガス会社によっては、電気とガスをセットで契約するとお得になるプランや、ポイントをためられるプランなどを用意している場合があります。また不要なオプションが付いている場合は、外すことでガス代を節約できるかもしれません。
現在契約しているガス会社から、よりお得になるガス会社に変更することもガス代を安く抑える方法の一つです。2017年の都市ガスの小売全面自由化以降、新しいガス会社が増えました。他社と差別化を図るために、会社によってさまざまな料金プランを打ち出しています。
現在のガス会社で料金プランを見直してもあまり安くならなかった場合はガス会社ごと見直して、ご家庭のニーズや使用状況に合った料金プランを提供している会社への切り替えを検討してみましょう。
2人暮らしのガス代平均金額はガスの使用量によって変わる他、原料費調達額などによっても毎月変動します。近年の原料費調達額は、為替レートや原油価格の高騰によって値上がり傾向にあり、ガス代もその影響を受けています。なお期間限定で国によるガス料金の値上がりを緩和する措置が取られていますが、全体的に見るとやはり値上がりしています。
また季節や地域、ガスの種類によってもガス代の平均金額は変わるため、こちらも目安として覚えておきましょう。
ガス代を節約するには、給湯器やガスコンロの使用時間を短く抑えることに加えて、支払い方法やプラン、ガス会社を見直すなどの方法がおすすめです。
TERASELガスは、エネルギー商社である伊藤忠エネクスグループの、株式会社エネクスライフサービスが提供する都市ガスサービスです。東京ガスの供給エリアにお住まいの方は、ガスと電気をセットで契約すると光熱費がお得になる可能性があります。TERASELでんきとセットなら、電気代に応じて楽天ポイントもたまります。
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