投稿日:2022/12/19
更新日:2024/11/19
でんきの比較
2016年4月の自由化から一定の期間が経過しました。
一般家庭への新電力の普及率は約24%にとどまっている一方で、お得なタイミングを狙って2回目、3回目の乗り換えをする人も増えてきています(※)。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁 .「電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について」.
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/078_03_00.pdf ,(2024-07-09).
実は四国は、全国平均よりも電気使用量が多く、電気代の相場が高い地域。できるだけ節約して家計の負担を減らしたいものです。電力会社の乗り換えも、有効な方法のひとつですよ。
今回は世帯人数別に、四国の電力会社を比較したシミュレーション結果をご紹介します。
各社の特徴や評判もあわせて記載しますので、参考にしてください。
「そもそも電気代の仕組みがよくわかっていない」という方のために、まずは電気料金の基本から説明しますが、すでにご存じの方は、『四国の電気代/光熱費の特徴』から読んでください。
▽他地域にお住まいの方はこちら
目次
電気料金は、毎月固定でかかる「基本料金」と、使用量によって変動する従量料金(電力量料金、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金)で決まります。
燃料費調整単価は、発電に必要な石炭や液化天然ガス(LNG)などの燃料の輸入価格の変動によって変わるもの。原料が高騰すると燃料費調整単価も高くなります。
四国の一般家庭向け電気料金プランには、「従量電灯A」と「従量電灯B」などがあります。従量電灯Aは「11kWhまでは一律の最低料金のみ、それを超えると使用量に応じた電力量料金がかかる」という最低料金制です。従量電灯Bは「一律の基本料金に加え、使用量に応じた電力量料金がかかる」という基本料金制です。
同時に使える電力量の最大で基本料金が決まる「アンペア制」の地域から引っ越してきた方は、「アンペア制でないならブレーカーは落ちないのでは?」と思うかもしれません。しかし、家庭内の電気配線経路ごとにアンペアが決まっているので、それを超えるとブレーカーが落ちます。
参考:四国電力.「料金プラン」.
https://www.yonden.co.jp/customer/price/plan/index.html ,(2024-09-09).
まずは2023年の、四国の月別光熱費を見てみましょう(※)。
年月 | 電気料金 | ガス料金 | その他光熱費 | 光熱費合計 |
---|---|---|---|---|
1月 | 17,293円 | 4,201円 | 2,348円 | 23,842円 |
2月 | 21,575円 | 4,874円 | 3,021円 | 29,469円 |
3月 | 19,096円 | 4,874円 | 1,490円 | 25,459円 |
4月 | 14,748円 | 4,853円 | 723円 | 20,324円 |
5月 | 11,714円 | 3,975円 | 987円 | 16,677円 |
6月 | 9,924円 | 3,258円 | 318円 | 13,501円 |
7月 | 9,173円 | 2,635円 | 294円 | 12,104円 |
8月 | 12,029円 | 2,311円 | 121円 | 14,461円 |
9月 | 12,039円 | 2,046円 | 213円 | 14,297円 |
10月 | 11,899円 | 2,291円 | 416円 | 14,606円 |
11月 | 10,432円 | 2,908円 | 1,699円 | 15,039円 |
12月 | 10,383円 | 3,734円 | 2,655円 | 16,772円 |
参考:総務省.「家計調査 家計収支編」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070001 ,(2024-09-10).
電気料金が最も高いのは、冬。1月~3月は特に高く、電気料金だけでも17,000円~20,000円台を推移しています。4~6月にかけての電気料金は1〜3月に比べると若干落ち着いていき、夏入りの7月では年間を通して電気料金と光熱費合計が最も低くなります。
7月で底を打った後、8~9月には電気料金が9,000円台から12,000円前後へと飛躍していますが、これは夏真っ盛りで冷房を使用する機会が増えることが影響しているでしょう。11~12月は電気料金に若干落ち着きが見られるものの、その分ガス代やその他光熱費が徐々に上がっているため、光熱費合計は夏場よりも高めになるのが特徴です。
なお、国の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、2023年1月使用(2月検針)分~9月使用(10月検針)分の電気料金には、値引きが行われています。
次に季節ごとで、他地域の電気料金とも比べてみましょう。電気料金は1カ月当たりの平均です(※)。
地域 | 1~3月(冬) | 4~6月(春) | 7~9月(夏) | 10~12月(秋) |
---|---|---|---|---|
北海道 | 19,972円 | 11,809円 | 9,295円 | 11,161円 |
東北 | 23,577円 | 13,344円 | 11,249円 | 11,910円 |
関東 | 16,467円 | 11,356円 | 9,650円 | 10,033円 |
北陸 | 23,090円 | 14,501円 | 13,370円 | 13,008円 |
中部 | 18,360円 | 11,320円 | 10,103円 | 9,482円 |
関西 | 15,847円 | 10,338円 | 8,702円 | 9,464円 |
中国 | 21,694円 | 13,407円 | 11,155円 | 11,069円 |
四国 | 19,321円 | 12,129円 | 11,080円 | 10,905円 |
九州 | 15,735円 | 9,097円 | 9,045円 | 8,542円 |
沖縄 | 11,179円 | 9,734円 | 12,714円 | 10,223円 |
全国平均 | 17,723円 | 11,354円 | 9,885円 | 10,099円 |
関西は2府4県、家計調査では「近畿」表記、中部は東海4県、家計調査では「東海」表記
調査年:2023年
参考:総務省.「家計調査 家計収支編」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070001 ,(2024-09-10).
四国の電気料金は、年間を通して全国平均より高めです。夏は全国平均並みではあるものの、他地域と比べると「四国の電気料金は高い」といえます。
県庁所在地(県) | 月平均 |
徳島市(徳島県) | 14,074円 |
高松市(香川県) | 12,863円 |
松山市(愛媛県) | 11,759円 |
高知市(高知県) | 12,347円 |
調査年:2023年
参考:総務省.「家計調査 家計収支編」.
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002070001 ,(2024-09-10).
同じ四国でも地域により差があり、最も高い徳島市(徳島県)と最も安い松山市(愛媛県)では月額で約2,300円の差があります。
これには1世帯当たりの電気使用量も関係していると考えられますが、松山市(愛媛県)以外の3都市は12,000円以上です。3都市に関しては広い家が多く、照明やエアコンの電気料金がかさみやすいことが関係している可能性があります。
電気料金を節約するコツはいろいろありますが、節約額の大きさでは「電力会社の乗り換え」が有効です。手続きは簡単ですし、電力会社が変わっても電気の供給方法は変わらないので日々の生活は基本的には変わりません。
ただし、最近は新電力から撤退する会社や値上げに踏み切る会社もありますので、解除料がなく、運営会社が安定していているサービスを選ぶ必要があります。また、一部地域でしかサービスを提供していない会社もありますので、転勤族であれば全国を網羅している会社を選ぶ方が引っ越し時の手間が少ないです。
ここからは、世帯人数ごとにシミュレーションしてみましょう。1~5人の世帯でパターン分けをしていますが、家族の年齢等によってどのシミュレーションを参考にするかは柔軟に選んでください。例えば、子どもが乳児ならカウントしない、個室があって自分用のスマホやゲーム機を持っているなら1人として扱う、個室のない小学生2人を1人と数える、といった具合です。
おすすめ順に上位3社をご紹介していきます。
【シミュレーション結果について】
エネチェンジの電気代シミュレーションを利用しています。
現在の電気料金や年間節約額に記載している金額は、基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金・容量拠出金相当額の合計額で算出しています。
酷暑乗り切り緊急支援による割引を適用して算出した金額です。
各電力会社のキャンペーン割引やポイント割引は含んでいません。
市場連動型プランは、直近1年間の燃料費調整額を適用しています。
調査年月:2024年9月
【シミュレーション条件】
世帯人数:1人
電力会社:四国電力
暮らし方:夜まで誰もいない、22時以降まで夜更かし
契約プラン:従量電灯A
年間の電気使用量:3,145kWh
現在の電気料金: 103,895円(2024年9月時点の年間電気料金)
順位 | 電力会社 | プラン | 年間節約額 |
---|---|---|---|
1位 | シン・エナジー(旧洸陽電機) | きほんプラン | 7,836円 |
2位 | TERASELでんき | TERASELでんき四国A | 3,852円 |
3位 | TERASELでんき | 超TERASEL四国A | 2,041円 |
【シミュレーション条件】
世帯人数:2人
電力会社:四国電力
契約プラン:従量電灯A
暮らし方:夜まで誰もいない、22時以降まで夜更かし
年間の電気使用量:4,541kWh
現在の電気料金:155,771円(2024年9月時点の年間電気料金)
順位 | 電力会社 | プラン | 年間節約額 |
---|---|---|---|
1位 | シン・エナジー(旧洸陽電機) | きほんプラン | 13,085円 |
2位 | TERASELでんき | 超TERASEL四国A | 7,711円 |
3位 | シン・エナジー(旧洸陽電機) | 【昼】生活フィットプラン | 7,662円 |
【シミュレーション条件】
世帯人数:3人
電力会社:四国電力
契約プラン:従量電灯A
暮らし方:お昼時は誰もいない、22時以降まで夜更かし
年間の電気使用量:5,272kWh
現在の電気料金:183,790円(2024年9月時点の年間電気料金)
順位 | 電力会社 | プラン | 年間節約額 |
---|---|---|---|
1位 | シン・エナジー(旧洸陽電機) | きほんプラン | 16,361円 |
2位 | Japan電力 | くらしプランS | 13,518円 |
3位 | シン・エナジー(旧洸陽電機) | 【昼】生活フィットプラン | 12,676円 |
【シミュレーション条件】
世帯人数:4人
電力会社:四国電力
契約プラン:従量電灯A
暮らし方:お昼時は誰もいない、22時以降まで夜更かし
年間の電気使用量:5,138kWh
現在の電気料金:178,631円(2024年9月時点の年間電気料金)
順位 | 電力会社 | プラン | 年間節約額 |
---|---|---|---|
1位 | シン・エナジー(旧洸陽電機) | きほんプラン | 15,761円 |
2位 | Japan電力 | くらしプランS | 12,352円 |
3位 | シン・エナジー(旧洸陽電機) | 【昼】生活フィットプラン | 11,602円 |
【シミュレーション条件】
世帯人数:5人
電力会社:四国電力
契約プラン:従量電灯A
暮らし方:お昼時は誰もいない、22時以降まで夜更かし
年間の電気使用量:6,063kWh
現在の電気料金:214,082円(2024年9月時点の年間電気料金)
順位 | 電力会社 | プラン | 年間節約額 |
---|---|---|---|
1位 | Japanでんき | くらしプランS | 20,423円 |
2位 | シン・エナジー(旧洸陽電機) | きほんプラン | 19,904円 |
3位 | アストでんき | フリープラン | 18,342円 |
シミュレーション条件は、一例です。シミュレーションされる際は、ご自身の生活スタイルや契約しているプランを設定してください。
四国エリアでおすすめの電力会社を3社紹介します。電力選びの参考としてご活用ください。
Looop電気を提供している株式会社Looopは、2011年の東日本大震災で被災地のボランティア活動をきっかけに発足した電力会社です。再生エネルギーをより身近に感じてほしいとの思いから、基本料金と燃料費調整額は0円です。電気料金を抑えながらも質の良い電力でご家庭の生活をサポートしてくれます。
Looopでんきでは、市場の電力価格に連動して料金が30分ごとに変動するプラン「スマートタイムONE」を提供しています。市場電力価格とご自宅で使う電気料金が連動するため、電力量料金が安い時間帯に電気を使用することで、自動的に電気料金を節約できる点がメリットです。他社から乗り換えても、今まで通りの送電網を使って電気を届けるため、供給が不安定になることがなく、安心・高品質な電力を使用できます。
▼Loopでんき
https://looop-denki.com/home/feature/
ミツウロコでんきは、日本の老舗企業のミツウロコグループが提供する電力サービスです。自社発電以外にも各発電事業者から電気の供給を受けており、仕入原価が安定しているため、電気料金を従来よりも安くできます。
また「電気が付かない」「ブレーカーが落ちる」「コンセントが焦げ臭い」などの電気に関するトラブルを、24時間365日無料でサポートしてくれる「ミツウロコでんき安心サポート」が整っています。
1人暮らしの方向けの「シングル応援プラン」や夜間に電気をよく使用する方向けの「とくとくプラン」など、ご家庭に合わせた料金プランが豊富です。
さらには電気料金の「見える化サービス」で、当月の電気料金を手軽に確認できます。家計簿をつけ忘れても、過去分の電気料金が遡れるため、家計管理にも役立ちます。
▼ミツウロコでんき
https://mitsuurokodenki.jp/
TERASELでんきは、エネルギー商社の伊藤忠エネオスグループ、株式会社エネクスライフサービスが提供する電力サービスです。
電気を使えば使うほどお得になる「超TERASELプラン」、電気消費量が少ない方向けの「TERASELプラン」、そして電気の使い方を工夫しながら電気料金を抑えられる「TERASELマーケットプラン」と市場連動型で電気使用量の単価の上限が決まっている「TERASELマーケットあんしんプラン」といった、ご家庭の電気消費量やライフスタイルに合わせて選べる4つの料金プランが用意されています。
料金シュミレーションでは、郵便番号や現在の電力会社、プラン、世帯人数などを入力するだけで、ご家庭のライフスタイルや電気使用量にぴったりのプランを提案してくれます。
さらには、毎月の電気料金に応じて楽天ポイントがもらえるシステムで、契約時にはPayPayポイントやAmazonギフトカード、Apple Gift Cardなどの特典もあります。
▼TERASELでんき
https://www.terasel.jp/
四国エリアで電力会社をお探しの方は、以下の4つのポイントを確認してみてください。
電力会社を選ぶときは、供給エリアを確認しましょう。インターネットで良い電力会社を見つけたとしても、ご自分の住んでいるエリアに電気を供給していない場合もあります。
供給エリアは、各電力会社のWebサイトに掲載されています。特定のエリアに絞った電力会社もあるため、初めに確認しておきましょう。
各電力会社のWebサイトの料金シミュレーションを活用し、電気料金を確認しましょう。電力会社によっては料金プランが細かく設定されていたり、時間帯別料金や使用量に応じたプランが用意されていたりします。
料金を確認しないまま感覚的にプランを選んでしまうと、かえって料金が高くなる可能性があります。事前シミュレーションで実際の電気料金を確認しておくことで、契約後に「思ったよりも電気料金が高くて経済的な負担が大きい」と後悔するリスクも防げるはずです。
電力会社では、新規契約者に向けてキャンペーンを開催している場合があります。例えば、電気とガスを同時契約すると電気料金がさらにお得になるキャンペーンや、契約特典のポイントが付与されるなどのキャンペーンなどです。
電気料金を抑えられる料金プランを選ぶのも大事ですが、よりお得に契約するにはキャンペーンの有無の確認も大事なポイントとなります。
契約する前に、各電力会社のWebサイトやパンフレットなどでお得なキャンペーンがないか確認しましょう。
ただし、キャンペーンには期間が設けられており、種類によっては予告なしに終了する場合があります。料金プランと併せて確認しておきましょう。
マンションなどの賃貸物件に住んでいる方は、個別で電力会社の乗り換えが可能かも確認しておきましょう。物件によっては、オーナーと電力会社が直接契約を結んで一括送電をしている可能性があります。一括送電の場合は乗り換え不可な場合があるため、一度確認してみましょう。
また、解約金や違約金が発生するかどうかも確認すべきポイントです。突然の引越しやトラブルで契約解除をしたいときに、高額な解約金や違約金がかかると経済的に負担になる可能性があります。
事前に解約条件をWebサイトや料金シミュレーションで確認してから契約しましょう。
この記事では、四国の電気料金の特徴と相場、四国で展開している電気料金の安い電力会社をご紹介しました。それぞれの会社に特色がありますが、検討の際はぜひTERASELでんきを候補に入れてください。
TERASELでんきには、以下のような特長があります。
・東証プライム上場企業で国内トップクラスの売上規模を誇るエネルギー商社「伊藤忠エネクス株式会社」の100%子会社である安定感
・沖縄を除く全国を網羅している
・解除料がない
・楽天ポイントが貯まる
新電力から撤退した会社の受け皿になっているほどなので、安定感には特に自信があります。
全国平均と比べて電気料金の高い四国。電力会社を乗り換えれば、節約効果を実感できるでしょう。特に冬は、電気料金の節約額が大きいはずです。
Web手続きだけで済むので、とても簡単。集合住宅でオーナーが一括徴収しているようなケースを除き、誰でも自由に電力会社を乗り換えられます。
詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
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